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OpenAIが「ChatGPT agent」公開:仮想PCを自ら操作しタスク代行

公開 拡散指数 50

OpenAIは自律的に作業を実行する「ChatGPT agent」を発表した。仮想PC環境上でブラウザやターミナル、APIを使い分け、情報収集から編集可能なスライド作成まで完結できる。重要操作ではユーザーの確認を求め、いつでも操作の介入や引き継ぎが可能。Plus、Pro、Team向けに提供を開始した。

OpenAIが「ChatGPT agent」公開:仮想PCを自ら操作しタスク代行
画像:openai.com

OpenAIは独自の仮想コンピューターを使って複雑なタスクを自律的に完遂する新機能「ChatGPT agent」を発表しました。

ウェブサイトの画面を認識してクリックやスクロールができる「Operator」と、大量の情報を読み込んで分析する「deep research」を統合したものです。当初はPro、Plus、Teamユーザー向けとされていましたが、予想を上回るアクセス集中によりPlusとTeamへの展開は延期となり、現在は月額200ドルのProプラン契約者を中心に提供されています。

仮想PCを操り、ブラウザとターミナルを使い分ける

今回のAgentの最大の特徴は、AI自身に独立した仮想マシンが与えられている点です。タスクに応じて複数のツールを自ら選び、作業を進めます。

人間向けのUIを操作するための「ビジュアルブラウザ」、テキストを高速に読み解く「テキストブラウザ」、コードを実行できる「ターミナル」、さらにGmailやGitHubと連携するAPIコネクタを備えています。たとえば、APIで予定を確認し、テキストブラウザで競合情報を収集し、ターミナルでデータを処理して、最終的に編集可能なスライドや表計算ファイルを書き出す、といった一連の流れを1つのチャット内でこなします。

性能面でも高い数字を残しています。専門家レベルの課題を集めた「Humanity's Last Exam」では41.6を記録し、8回の並列試行から確信度の高い結果を選ぶ方式では44.4に達しました。難関数学ベンチマークのFrontierMathでも、ターミナルでのコード実行を活用して27.4%の正答率を示しています。さらに、スプレッドシート編集の指標であるSpreadsheetBenchでは45.5%を叩き出し、Excel向けCopilotの20.0%を大きく引き離しました。

ランプ1個探すのに50分、カートに入れた「嘘」も

もっとも、実用面ではまだまだ荒削りな一面が露呈しています。米The Vergeの記者がEtsyで200ドル以下のビンテージ風ランプを探すよう依頼したところ、作業完了までに実に50分もの時間を要しました。

画面には「デスクトップの準備」「検索」「Enterキーを押す」といった作業実況が逐一表示されるものの、スピードはお世辞にも速いとは言えません。さらにAgentは「5つの商品をあなたのEtsyカートに追加しました」と報告したものの、記者が自分のブラウザで確認するとカートは空のままでした。Agentはユーザー本人のブラウザを直接動かしているわけではないため、隔離された仮想PC内のカートに入れたものと見られます。

この遅さについて、OpenAIのプロダクト担当Yash Kumar氏やリサーチ担当のIsa Fulford氏は、レスポンス速度よりも難易度の高いタスクを解くことを優先して最適化したと説明しています。作業画面をじっと眺めるのではなく、裏で動かしておき、スマホの通知を待つ使い方が前提だといいます。なお、銀行口座の自動送金など金融取引に関する指示は制限されており、怪しいエラーメッセージとともに実行を拒否される仕様になっています。

なぜ重要か

私たちは、この発表がチャットボットから「バックグラウンドで働くデジタル労働力」への決定的な転換点になると考えています。モデル単体の賢さに頼るのではなく、ブラウザやターミナルを揃えた仮想環境をAIに丸ごと渡すというアプローチは極めて合理的です。

ただし、今すぐ日常のツールとして万人に勧められるかというと、答えは否です。コーヒーミルを探す程度の買い物なら自分でやったほうが数倍早く、月額200ドルのコストに見合う一般ユーザーはごく一部に限られます。一方で、アナリストが競合の財務モデルを組んだり、大量のデータから週次レポートを自動生成させたりするような、時間のかかる知的労働を抱えている現場にとっては、試す価値が十分にあるはずです。

最大の懸念は、行動のハルシネーションです。テキストの誤情報だけでなく、「カートに入れた」「予約した」と嘘の完了報告をされるリスクは、業務利用において致命傷になりかねません。他社も同様の自律エージェントで追随してくるはずですが、成否を分けるのは知能の高さだけでなく、この動作の誠実さと待ち時間の短縮にかかっていると見られます。

情報源 (2)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
  2. [2]
    theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com

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