OpenAIが「Consistency Models」発表、1ステップで画像生成 拡散モデル超え狙う
TechCrunchによると、OpenAIの研究チームが「Consistency Models」に関する論文を公開した。数十から数百ステップの計算を要する従来の拡散モデルに対し、わずか1〜2ステップで画像生成や超解像を行い、速度を桁違いに高める。初期段階のため画質はまだ粗いものの、スマホでの端側動作やリアルタイム生図に向けた布石となる。
Midjourney や Stable Diffusion で画像を作るとき、砂嵐のようなノイズが何十回、何百回と計算されながら徐々に消えていく様子に見覚えがあるはずです。
現在の主流である拡散モデルは美麗な画像を生成できる一方で、計算コストが極めて高く、待ち時間も長いため、リアルタイムの対話処理には向いていません。そこで OpenAI は、その数十工程をわずか「1ステップ」に短縮する新手法の模索を始めています。
先月、OpenAI の研究チームは「Consistency Models(一貫性モデル)」と題した論文をプレプリントサーバーに静かに公開しました。著者には研究者の Yang Song 氏、Prafulla Dhariwal 氏、Mark Chen 氏に加え、チーフサイエンティストの Ilya Sutskever 氏も名を連ねています。
何十回もの計算を1回で終わらせる仕組み
この技術の狙いを理解するには、拡散モデルの弱点を見るのが一番です。
拡散モデルは、完全にノイズだけの画像からスタートし、10回から数千回にわたって少しずつノイズを取り除くことでプロンプト通りの画像を仕上げます。高品質な結果が得られる反面、GPU 負荷が重く、瞬時に結果を返すような用途には使えません。
これに対して一貫性モデルは、わずか1ステップ、多くても2ステップの計算で実用的な画像を生成することを目指しています。
学習過程では拡散モデルと同様に画像が壊れていくプロセスを観察しますが、ノイズがどれだけ混ざった状態からでも、一気に元の画像を推測して復元できるように訓練されます。
現段階の実験結果を見る限り、生成される画質はまだ荒削りで、見事と言えるレベルには届いていません。しかし、DALL-E などの既存手法と比べて桁違いに速く、着色、アップスケーリング、スケッチの画像化、インペインティングといった多様なタスクも1ステップで処理できます。2ステップ目を追加するだけで画質が大きく改善する点も確認されています。
なぜ重要か
一般ユーザーやクリエイターの視点で見れば、今すぐ Midjourney の代わりに使えるような完成度ではありません。あくまで研究段階のプロトタイプであり、現時点で飛びついて乗り換える性質のものではないと言えます。
しかし、この技術が拓く可能性は非常に大きいです。例えばスマートフォンのバッテリーを消耗させずに端末内でローカル画像生成を行いたい場合や、チャット画面で即座にビジュアルを返したい場合、重たい拡散モデルでは無理が生じます。一貫性モデルは、そうしたエッジ環境や超低遅延が求められる領域への道を切り開きます。
業界全体への影響として、OpenAI が拡散モデルの先を見据えて動いている点は注目に値します。多くの企業が拡散モデルの微調整や高精度化に追われているなかで、根本的な効率化を狙う新アーキテクチャの種を撒いている格好です。機械学習の歴史では、最初は画質が粗くても圧倒的に高速な手法が、その後の改良で一気に主流を奪う展開が繰り返されてきました。
私たちは、この超高速生成がどこまで画質を拡散モデルに近づけられるかが、今後のエッジ AI 競争の大きな分水嶺になると見ています。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com