macOS版ChatGPTに「録音モード」登場:会議の文字起こしや要点整理を自動化
OpenAIはmacOS向けChatGPTデスクトップアプリで「Record mode(録音モード)」の提供を開始した。Pro、Enterprise、Eduユーザーを対象に追加費用なしで提供され、会話を録音すると自動で文字起こしし、要点やネクストアクションをまとめてくれる。

オンライン会議の最中に外部の文字起こしツールを立ち上げ、終わった後に議事録を手動でまとめる手間は、多くのビジネスパーソンにとって日常のストレスでした。
OpenAI はこの作業を自社ツール内で完結させるべく、macOS 版 ChatGPT デスクトップアプリ向けに新機能「Record mode(録音モード)」の提供を開始しました。ChatGPT Pro、Enterprise、Edu ユーザーを対象に順次展開されており、追加料金なしで利用できます。本機能は今月初め、Team プラン向けに先行提供されていました。
最長 120 分の録画に対応、会話から即座にコードを生成
macOS 版の対象プランを利用しているユーザーは、チャット入力欄の下部に表示される「Record」ボタンを押すだけで録音を開始できます。1 回のセッションで最長 120 分間の連続録音に対応しています。
録音中は ChatGPT が発言をリアルタイムで文字起こしし、複数人の話者分離にも対応します。ただしサポートページによると、現時点で最も高い精度を発揮するのは英語であり、他言語の精度は向上中であるもののバラつきが生じる可能性があるとしています。
録音が終了すると、文字起こしデータはチャット履歴に保存されます。さらに ChatGPT はプライベートな Canvas(キャンバス)上に構造化された要約を自動生成します。ユーザーは手動で要約を編集できるほか、AI に指示して修正することも可能です。重要ポイントの抽出だけでなく、タスクの洗い出しや、会話内容に基づいたコードスニペットの生成まで行えます。
音声データは即時削除、ただしテキストの学習設定には注意
会議の録音を扱う以上、プライバシーへの配慮は避けて通れません。
OpenAI は、ユーザーの音声データをモデルの学習には使用せず、文字起こしが完了した時点で自動的に削除すると説明しています。
ただし、生成された文字起こしテキストについては扱いが異なります。Pro や Plus のユーザーが会議内容を AI の学習データとして提供したくない場合は、設定画面で「Improve the model for everyone(すべてのユーザー向けにモデルを改善する)」をオフにしておく必要があります。
また、OpenAI は録音を開始する前に同席者全員の同意を得るよう求めており、各地域の法令順守はユーザー自身の責任であると強調しています。なお同社はあわせて、WhatsApp 内で ChatGPT の画像生成機能を全ユーザー向けに開放したことも発表しています。
なぜ重要か
今回の機能追加について私たちは、単なる文字起こしの枠を超え、会議後のアクションまでを一気通貫で処理させる賢いアプローチだと評価しています。
これまでの文字起こしツールでは、テキスト化された長い文章をコピーして別のプロンプトに貼り付ける手間がありました。ChatGPT の Record mode は、録音からキャンバスでの要約編集、さらにはコード化までシームレスにつなげています。Mac をメインで使うエンジニアや企画職なら、今すぐ試す価値が十分にあります。
一方で、この動きは単機能の AI 議事録サービスにとって大きな脅威となります。主要モデル自体が 2 時間の録音、話者識別、高度な要約を標準で備えてしまえば、外部ツールを別料金で契約する理由は薄れてしまいます。
とはいえ課題もあります。現時点では利用が macOS デスクトップ版に限定されており、Windows ユーザーやモバイル環境は対象外です。また、日本語を含む英語以外の精度がまだ発展途上である点や、テキスト学習を避けるために手動でオプトアウトが必要な点は、企業導入におけるハードルとなりそうです。
情報源 (2)
- businesstoday.in(新しいタブで開きます)原文businesstoday.in
- thurrott.com(新しいタブで開きます)報道thurrott.com