エヌビディア、OpenAIとAnthropicへの追加出資打ち切りを示唆
水曜日のカンファレンスで、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOはOpenAIとAnthropicへの最近の出資が最後になる可能性が高いと語った。年内のIPO見込みを理由に挙げたが、出資額の縮小やAnthropicの政府ブラックリスト入りなど、複雑化する提携関係から距離を置く動きと見られている。

世界屈指のAIスタートアップ2社に出資し続けることは一見すると盤石な戦略に見えますが、ジェンスン・フアン氏はこのゲームから静かに降りようとしています。
水曜日にサンフランシスコで開催されたモルガン・スタンレーのTMTカンファレンスで、NvidiaのCEOであるジェンスン・フアン氏は、OpenAIおよびAnthropicに対する最近の投資が両社への最後の出資になる可能性が高いと語りました。同氏が挙げた理由は至ってシンプルで、両社ともに年内後半の株式公開が見込まれており、IPOを果たせば非公開市場での投資機会は閉じるというものです。
しかし、この説明を言葉通りに受け止める関係者は多くありません。IPO直前に巨額の資金を投じるレイトステージ投資はシリコンバレーでは日常茶飯事であり、そもそもチップ供給で歴史的な利益を上げているNvidiaが、純粋なリターン目当てで追加投資を焦る必要もないからです。同社広報は以前の決算説明会での発言を引き合いに出し、すべての出資はエコシステムの拡大を狙った戦略的措置だと説明するにとどめています。
1000億ドルの公約縮小と循環取引の影
ブレーキを踏んだ背景には、出資をめぐる歪な資金循環への懸念があります。
昨年9月にNvidiaがOpenAIへ最大1000億ドルを出資すると発表した際、マサチューセッツ工科大学のマイケル・クスマーノ教授はフィナンシャル・タイムズに対し、これは実質的な相殺に過ぎないと指摘しました。NvidiaがOpenAI株に1000億ドルを投じ、OpenAIはその資金で1000億ドル以上のNvidia製チップを買うという構図だったからです。
こうしたAI投資バブルへの懸念が高まった結果か、先週完了したOpenAIの1100億ドルの資金調達ラウンドにおいて、Nvidiaの実際の出資額は当初の公約を大きく下回る300億ドルに縮小しました。フアン氏は両社の不仲説をナンセンスと一蹴したものの、数字が後退した事実は隠せません。
ダボスでの舌戦とペンタゴンを巡る亀裂
もう一方のAnthropicとの関係も、すでに穏やかではありませんでした。
昨年11月にNvidiaがAnthropicへの100億ドルの出資を発表してからわずか2カ月後、Anthropicのダリオ・アモデイCEOはダボス会議の壇上に立ちました。同氏は社名こそ名指ししなかったものの、米国の半導体企業が認可された中国顧客に高性能AIプロセッサを販売する行為を、北朝鮮に核兵器を売るようなものだと痛烈に批判しました。
さらに直近では、トランプ政権がAnthropicをブラックリストに指定し、自律型兵器や国内での大規模監視へのモデル使用を拒否した同社に対し、連邦機関や防衛請負業者による技術利用を禁止しました。
この発表のわずか数時間後、OpenAIは国防総省との提携を発表しました。Anthropicはこの動きを極めて不誠実だと非難しましたが、世論はAnthropicを支持したようです。Sensor Towerのデータによると、1月下旬には米App Storeのトップ100圏外だったAnthropicのClaudeは、この騒動から24時間以内に無料アプリランキングの首位に急浮上し、ChatGPTを追い抜きました。
なぜ重要か
IPOを理由にしたフアン氏の出資停止宣言は、複雑化しすぎた地政学と防衛の泥沼から足を洗うための巧妙な名目にすぎないと私たちは見ています。
開発者やビジネスユーザーにとって、この動きはAIモデルの選定基準が性能ベンチマークだけでは済まなくなったことを意味します。軍事利用を拒否してブラックリスト入りしながらも一般支持を急拡大させたAnthropicと、国防契約を即座に拾いに行ったOpenAIという、企業倫理と政治的立ち位置の決定的な分断が起きています。
AI業界全体としては、半導体メーカーが自社のチップを買わせるために相手企業の株式を取得するという循環型の資金調達モデルが限界に達したことを示しています。自己資金で需要を偽装しているという疑念を払拭するためにも、これ以上の過度な出資は正当化できなくなっています。
Nvidiaの判断は極めて合理的です。両社がIPOで上場を果たそうとする直前に出資の幕を引くことで、これまでに獲得したサプライチェーン上の優位性を守りつつ、防衛リスクやモデル同士の熾烈な内紛から自社を切り離すことができます。どちらが勝とうが最終的に自社の半導体が売れればよいという、本来の黒子ポジションに戻る賢明な引き際と言えます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com