Moonshotが「Kimi K3」投入へ:最大3兆パラメータでOpus 4.8に対抗
Financial Timesによると、中国のMoonshot AIは数日中に最大3兆パラメータのオープンウェイトモデル「Kimi K3」を公開予定で、AnthropicのOpus 4.8に匹敵する性能を目指している。同社は評価額315億ドルでの新たな資金調達も進めている。

OpenAIとAnthropicが首位争いを繰り広げてきた2026年のフロンティア市場に、中国のMoonshot AI(月之暗面)が割って入ろうとしています。
7月16日付のフィナンシャル・タイムズなどの報道によると、同社は数日中に新型モデル「Kimi K3」を公開する見通しです。パラメータ数は2兆から3兆に達し、中国発のオープンウェイトモデルとして過去最大規模となります。
独自ベンチマークでトップ勢肉薄
フィナンシャル・タイムズは関係者の話として、K3の性能がAnthropicのOpus 4.8と同等かそれ以上になると報じました。別報道によれば、AAの知能指数でK3は57を記録し、Claude Fable 5の60やGPT-5.6 Solの59に迫る位置につけています。従来のK2.6から順位を大きく引き上げました。
K3は100万(1M)トークンのコンテキストウィンドウを備え、ウェブ調査、スプレッドシート処理、フロントエンド設計、長文コーディングの各テストでFableやSolを上回ったとされています。
公開されたデモでは、K3が48時間単独で動作し、自身の小型版を実行する小型チップの設計と検証を実施。シミュレーション環境で毎秒8700トークンの出力を記録しました。
APIの利用料は100万トークンあたり入力3ドル、出力15ドルで、Claude 5 Sonnetと同等です。モデルの重みは7月27日までに公開される予定です。
これに伴い、Moonshot AIは評価額315億ドルでの新たな資金調達を進めていると報じられています。同社は5月に200億ドルの評価額で20億ドルを調達したばかりでした。
なぜ重要か
開発者や企業にとって、K3は高額な商用モデルへの依存を減らす有力な選択肢になります。フロントエンド開発やデータ処理など特定分野ではすでに最高峰モデルに匹敵し、API利用料も抑えられています。さらに7月27日にウェイトが公開されれば、プライバシー上の懸念から大手AI企業へデータを渡したくない企業が自前で運用できるようになります。ただし、2兆〜3兆パラメータ規模のモデルを運用するには膨大な計算資源が必要で、多くの現場ではAPI利用が現実的です。
業界全体から見れば、フロンティアモデルとオープンウェイトの差が一気に縮まったことを意味します。これまで中国勢やオープンソース陣営は米トップ企業から半年から1年遅れていると見られていましたが、その差はわずか1世代分に縮まっています。強気な価格破壊はAnthropicやOpenAIにもプレッシャーを与えるはずです。一方、315億ドルという急膨張した評価額に見合う収益を、オープン戦略の中でどう回収していくのかは大きな課題といえます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com