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Moonshot AI、Kimi K2.7-Codeに高速モード追加 最大6倍高速化で毎秒260トークン

公開 拡散指数 50

Moonshot AIはコーディング特化モデル「Kimi K2.7-Code」の高速モードを発表した。トークン処理速度が最大6倍(毎秒260トークン)に向上し、推論トークン消費を約30%削減したとする。現在Hugging FaceとAPIで利用可能だが、第三者ベンチマークによる検証は未実施。

Moonshot AI、Kimi K2.7-Codeに高速モード追加 最大6倍高速化で毎秒260トークン
画像:techtimes.com

思考プロセスを挟むコーディングAIを使っていると、たった数行の修正コードを得るために何十秒も待たされるもどかしさを誰もが感じるはずです。

Moonshot AIが手を入れたのはまさにそこでした。6月12日にコーディング特化のKimi K2.7-Codeを公開した同社は、続く6月15日、Kimi Code Beta向けに最大6倍の高速化を実現するHighSpeedモードを発表しました。

通常のコード入力で毎秒約180トークン、短いプロンプトであれば毎秒最大260トークンに達します。自律型エージェントに大量のタスクを回させている開発現場にとっては、作業の待ち時間を大幅に削るアップデートです。

構造はそのまま、後学習で無駄を削る

興味深いことに、K2.7-Codeのモデル構造自体は前世代のK2.5やK2.6と変わりません。

1兆パラメータ規模のMoE構成で、384基のエキスパートのうち1トークンにつき8基と共有エキスパート1基のみを呼び出す仕組みです。アクティブパラメータは約320億に抑えられ、DeepSeek発祥のMLA(Multi-head Latent Attention)によって256Kのコンテキスト長を効率的に扱えます。

思考を省略するモードはなく、常に思考プロセスを経由する仕様も健在です。それにもかかわらず推論トークンを約30%削減できたのは、アーキテクチャの変更ではなく後学習(ポストトレーニング)でコード生成の重み付けを強化した結果です。

推論モデル特有の「考えすぎ」によって無駄なトークンを消費し、かえって精度を落とす問題に対し、思考の連鎖を意図的に引き締めるアプローチを取りました。

手軽な導入環境と、抜け落ちた外部評価

提供方法は極めてオープンです。修正MITライセンスでHugging Faceにモデルが置かれ、APIは入力100万トークンあたり0.95ドル、出力4.00ドル。ターミナル向け開発アシスタントのKimi Codeも月額19ドルから利用できます。

ただし、大きな懸念点も残されています。

処理効率が30%上がったという主張は、すべてMoonshot自身が設計した5つの独自ベンチマークに基づいています。現在に至るまで、客観的な第三者機関によるコーディングベンチマークには一切提出されていません。

なぜ重要か

私たちは、この高速化が現場の切実な課題を突いている一方で、検証不足の危うさも孕んでいると考えています。

開発者にとって、思考モデルの冗長さは待ち時間だけでなくAPI費用の膨張に直結します。もし毎秒260トークンの処理速度と精度の両立が事実なら、月額19ドルや安価なAPIでワークフローに組み込んでみる価値は十分あります。

アリババやテンセント、中国移動などから出資を受け、企業価値200億ドルを超えた同社の開発スピードは驚異的です。2025年7月の初代K2から数えて今回が5回目のメジャーリリースであり、欧米のクローズド系大手をも凌ぐペースで手を打っています。

しかし、外部ベンチマークを避けている姿勢には疑問が残ります。思考トークンを無理に切り詰めた結果、複雑な例外処理で論理破綻を起こさないかどうかは未知数です。現場の実務に全面導入するのは、コミュニティによる客観的な検証結果が出揃うのを待ってからでも遅くはないはずです。

情報源 (1)

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