OpenAI元CTOが法廷で証言:サム・アルトマン氏がモデル安全審査で虚偽説明
水曜日に行われたマスク氏対アルトマン氏の裁判で、OpenAI元CTOのミラ・ムラティ氏による宣誓証言が公開された。アルトマンCEOが法務判断と偽り、新型GPTモデルの安全委員会審査を免除しようとしたと証言。ムラティ氏が法務責任者に直接確認して食い違いを発見し、審査を実施させたと述べた。

シリコンバレーでの社内対立は珍しくありませんが、宣誓証言の場で元幹部がCEOの虚偽を公に認めるとなれば話は別です。
進行中のイーロン・マスク対サム・アルトマン訴訟において、OpenAIの前CTOであるミラ・ムラティ氏の宣誓証言ビデオが公開されました。ムラティ氏は、アルトマン氏が新しいAIモデルの安全性基準について自分に嘘をついたと証言しました。
安全審査をめぐる食い違い
問題となったのは、あるGPTモデルのリリース審査でした。ムラティ氏の証言によると、アルトマン氏は法務部門が判断したとして、その新モデルを同社の配備安全委員会の審査にかける必要はないとムラティ氏に伝えました。
法廷で「その際アルトマン氏は真実を話していたか」と問われたムラティ氏は、はっきりと否定しました。
不審に思ったムラティ氏は、当時ゼネラルカウンセルを務めていたジェイソン・クォン氏(現最高戦略責任者)に直接確認を取りました。その結果、クォン氏の説明とアルトマン氏の主張が完全に食い違っていることが判明したといいます。ムラティ氏は念のため、モデルを安全委員会に提出させました。
ムラティ氏は自身の批判が純粋にマネジメントに関するものだと説明しています。極めて複雑な組織で難易度の高い仕事を進める中、アルトマン氏に対して業務を妨害するのではなく明確なリーダーシップを求めていたと語りました。
幹部を競わせるマネジメントの影
アルトマン氏の不誠実さを指摘したのはムラティ氏だけではありません。公判では、共同創業者のイリヤ・サツケヴァー氏が取締役会に宛てた52ページに及ぶメモの一部も読み上げられました。
その中でサツケヴァー氏は、アルトマン氏が嘘をつき、幹部の権限を奪い、幹部同士を対立させる一貫した行動パターンを持っていると告発していました。元取締役のヘレン・トナー氏も以前、幹部陣からアルトマン氏の欺瞞的な行動に関する証拠が提示されていたと語っています。
ムラティ氏はアルトマン氏が幹部同士を競わせ足を引っ張っていたという指摘に同意しつつも、2023年の取締役会による電撃解任劇については、組織を崩壊の危機に晒したと批判しました。ムラティ氏は2024年に退社し、自身のAI企業Thinking Machines Labを立ち上げています。
なぜ重要か
私たちは、法廷での宣誓証言としてこの事実が記録されたことの意味は極めて重いと考えます。
ユーザーや開発者にとって最も気がかりなのは、最先端モデルの安全管理がどれほど機能しているかという点です。CEO自らが法務の判断を偽って安全審査をスキップしようとし、CTOの機転がなければそのまま通過していたという事実は、ガバナンスの脆弱さを露呈しています。
業界全体から見ても、アルトマン氏の手法に対する疑念は一層深まりました。情報を操作して幹部同士を分断し、スピードを優先するやり方は、急成長するスタートアップでは通用したかもしれませんが、社会基盤となるAIの開発現場では重大なリスクとなります。
OpenAIの混乱は理念の対立だけでなく、経営トップに対する根本的な信頼の崩壊から生じていたと見られます。規制当局からの監視が強まる中、同社が透明性を証明するハードルは確実に上がっています。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com