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オープンソース

リアルタイム多人数世界モデル「MIRA」:物理エンジンなし、動画生成だけで4人対戦を実現

公開 拡散指数 48

研究チームがインタラクティブな多人数世界モデル「MIRA」を公開した。物理エンジンやレンダリングエンジンを一切使わず、50億パラメータの拡散モデルが単一の B200 GPU 上で4人対戦画面をリアルタイム生成する。データセットや学習・推論コードもオープンソース化されている。

画像:mira-wm.com

友達3人と一緒に『ロケットリーグ』の2対2マッチを遊んでいる場面を想像してみてください。車がドリブルし、壁を駆け上がり、ゴールを決めると画面にキルログや通知が表示されます。しかし、この裏にはゲームエンジンも、物理演算モジュールも、3Dモデルも一切存在しません。

動いているのは、リアルタイムに映像を作り続ける動画生成モデルだけです。キーボードを叩くたびに、AI が次の瞬間のゲーム画面を描き出しています。

研究チームが公開した「MIRA」は、まさにそんな仕組みで動くリアルタイム多人数インタラクティブ世界モデルです。50億パラメータの拡散トランスフォーマーと6億パラメータの映像コーデックを組み合わせ、単一の NVIDIA B200 GPU 上で、4人のプレイヤーに向けた20fpsの画面を同時に生成します。

映像データだけで物理法則を再現する

MIRA の特筆すべき点は、ゲームのルールや物理演算をコードとして一切記述していないことです。それでも車同士の衝突やジャンプ時の挙動を破綻なく表現し、ブースト残量を正しく管理してガス欠時には加速できないように制御します。

学習には、約1万時間に及ぶ2対2の試合データが用いられました。人間の操作ログは一切使わず、高精度なゲーム用Bot「Nexto」同士の自己対戦映像から、4視点の映像とコントローラー入力を同期させてモデルに読み込ませています。内部の物理パラメータは評価用にのみ使われ、モデル自身はピクセルとキー入力だけを見て学習しました。

従来の自己回帰型動画生成モデルは、時間が経つと画面が崩壊しやすいという致命的な弱点を抱えていました。しかし MIRA は独自の工夫により、発散することなく長時間安定して動作します。また、操作の一部をマスクして学習させたことで、操作を放棄するとAIが勝手に運転を引き継ぐオートパイロット機能も備わっています。

なぜ重要か

私たちは、MIRA の本質はゲームの模倣ではなく、フィジカルAI(ロボティクスや自動運転)に向けた重要な足がかりにあると考えています。

本物のゲームが存在するのに、なぜ動画生成でゲームを再現するのかという疑問に対して、開発陣自身が「ゲームを楽しみたいなら本家を遊べばいい」と答えています。現実世界で自動運転車やロボットを走らせて事故データを集めるのは危険でコストがかかりすぎますが、高精度な世界モデルの中でシミュレーションを行えば、安全かつ高速に検証が可能です。

ゲームという整った環境でマルチエージェントの相互作用を学べることを示した MIRA は、シミュレータから実世界への転移学習(Sim-to-Real)の大きな布石になります。解像度が4画面合算で576pにとどまり、ステージも3種類に限られるといった制約はあるものの、コードとデータセットが完全オープンソース化されたことで、世界モデル研究のハードルを一気に引き下げた意義は極めて大きいと言えます。

情報源 (1)

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