Midjourney、初の動画生成モデル「V1」公開 画像から5秒動画を生成
Midjourney は初の動画生成モデル「V1」をウェブ版限定で公開した。任意の静止画からカメラワークなどを指定して 5 秒の動画クリップを生成でき、最大 20 秒まで延長可能。競合と比べて 25 倍安価と謳い、同社特有の質感を引き継いでいるが、現状は音声なしの画像起点のみに対応する。

画像生成AI大手のMidjourneyが、初となる動画生成モデル「V1」をウェブ版限定で一般公開しました。ディズニーやユニバーサルから著作権侵害で提訴された直後という波乱のタイミングでのリリースとなります。
画像から手軽に4本の5秒動画を生成
V1は現時点で「Image-to-Video(画像から動画)」に特化した仕様となっており、テキストから直接動画を作る機能や音声生成には対応していません。
利用方法はシンプルで、ウェブ上で画像を選択して「Animate」ボタンを押すだけです。AIがカメラワークなどを自動で判断するオート設定のほか、テキストでカメラの動きや被写体のアクションを細かく指定できるマニュアル設定も用意されています。
動きの大きさは「High motion」と「Low motion」の2段階から選択可能です。前者は被写体もカメラもダイナミックに動きますが描写の崩れが生じやすく、後者は落ち着いた微動に適しているものの、場合によっては静止画のまま動かないこともあります。
Midjourney内で生成した画像だけでなく、外部からアップロードした画像を始点フレームとして動かすことも可能です。1回の生成リクエストで5秒間のショート動画が4パターン同時に出力され、気に入ったクリップは約4秒ずつ最大4回(計約20秒)まで延長できます。
コスト面では、1回の動画生成が画像生成の約8回分に設定されています。これは動画1秒あたり画像1枚分のコストに相当し、CEOのDavid Holz氏は競合の動画モデルよりも25倍以上安価だとアピールしています。Proプラン以上のユーザー向けにはリラックスモードのテストも予定されています。
最終目標はオープンワールドのリアルタイムシミュレーション
単体の動画ツールとして見ると、音声がなく尺も短いため、GoogleのVeo 3など最先端の動画生成AIと真正面から競う作りには見えません。
しかしDavid Holz氏によれば、V1は最終目的地ではなく、将来の「リアルタイム・オープンワールド・シミュレーター」に向けた足がかりに過ぎません。
3D空間を自由に動き回れるインタラクティブな世界をAIで作るには、視覚(画像)、動き(動画)、空間把握(3D)、そして高速処理(リアルタイム)という構成要素が必要です。Midjourneyは今後1年をかけてこれらのパーツを個別に開発・公開し、最終的に単一のシステムへと統合していく計画を明かしています。
なぜ重要か
クリエイターにとっての最大の恩恵は、Midjourney特有の美しいアートスタイルを維持したまま、外部ツールに頼らずその場でアニメーション化できる点にあります。これまでは画像を一度保存し、RunwayやLumaなどに持ち込んで動かす手間がかかっていましたが、その作業が一瞬で完結します。
また、動画1回で4つのバリエーションを出しつつ競合比25倍安いと謳う価格設定は、他社の動画生成サービスに対する強い価格圧力になるはずです。動画生成の最大のハードルだったコスト感を一気に画像並みに引き下げた点は、非常に巧みなアプローチと言えます。
一方で、音声が付かない点やカメラ制御の不安定さといった機能面の制限は残ります。何より大手映画スタジオからの提訴を抱える中、外部画像の持ち込みや既存IPの動写が著作権問題の火種をさらに広げる懸念も拭えません。それでも、すでに有料プランを利用しているクリエイターであれば、過去のストック画像を手軽に動かしてみる価値は十分にあります。
情報源 (1)
- midjourney.com(新しいタブで開きます)原文midjourney.com