Midjourneyがハードウェア参入へ:サンフランシスコに専門チーム設立
画像生成AI大手のMidjourneyがハードウェア事業への参入を公式Xで発表した。開発チームはサンフランシスコに拠点を置く。2月にはApple Vision Proの開発に関わった技術者を採用しており、同社が進める動画や3D生成AIモデルと連動した新デバイスの登場が期待される。

Discord 上で動く画像生成 AI で知られる Midjourney が、ハードウェア事業への参入を電撃発表しました。
同社は水曜日、公式 X アカウントへの投稿でハードウェア分野への進出を公表しました。新設されるハードウェア部門はサンフランシスコを拠点とし、現在エンジニアなどの採用を進めています。
Midjourney はベンチャーキャピタルからの出資を一切受けず、100 人未満のチームで年間 2 億ドル以上の売上高を記録していると報じられている異色のスタートアップです。その企業がなぜ今ハードウェアなのか、その布陣を見ると納得の理由が浮かび上がってきます。
ペンダント型は作らない、集結した Vision Pro と Leap Motion の人材
Midjourney は今年 2 月、Ahmad Abbas 氏をひそかに迎え入れていました。Abbas 氏はかつて Neuralink に在籍し、Apple では 5 年間にわたり Vision Pro ヘッドセットの開発にハードウェアマネージャーとして携わった人物です。現在、同氏の LinkedIn の肩書は Midjourney のハードウェア責任者となっています。
さらに、CEO の David Holz 氏自身もハードウェア界のベテランです。Holz 氏は Midjourney 創業前に、手のジェスチャー入力を可能にする Leap Motion を共同創業し CTO を務めていました。実は Abbas 氏も過去に Leap Motion で Holz 氏と共に働いており、旧知の仲間が再び合流した形です。
どんな製品を作るのかは明かされていませんが、Midjourney は X 上で「ペンダント型にはならない」と明言しました。今年相次いで登場し、厳しい評価を受けたウェアラブル AI ペンダントの轍は踏まないという明確な意思表示です。
3D や動画モデルとの関連性
著作権をめぐる訴訟に対応する一方で、Midjourney は動画生成や 3D 生成モデルの開発を進めていることを以前から公言しています。
空間コンピュータである Vision Pro の知見、Leap Motion のジェスチャー追跡技術、そして 3D 生成モデルの組み合わせを考えると、一般的な音声アシスタント端末ではなく、クリエイター向けの新しい入力デバイスや空間表示デバイスを目指している可能性が高いとみられます。
なぜ重要か
Midjourney がハードウェアを手掛ける最大の強みは、外部資本の圧力がない点にあります。VC からの調達なしで莫大な利益を出しているため、投資家に急かされて中途半端な製品を慌てて市場に投入する必要がありません。
ペンダント型を真っ先に否定した判断は非常に的確だと考えられます。Humane AI Pin などの失敗は、画面のない汎用 AI を無理やり身につけさせようとしたことにありました。画像や動画を作るクリエイターにとって必要なのは、直感的に操作できる物理インターフェースです。
もっとも、ハードウェアビジネスはソフトウェアとは比較にならないほどリスクが伴います。部品調達、製造歩留まり、在庫管理など、かつて Leap Motion も直面した製造の壁が立ちはだかります。100 人に満たない組織がサプライチェーンの荒波に耐えられるかは未知数ですが、既存の AI ガジェットとは一線を画す本格的なツールになる期待感は十分にあります。
情報源 (2)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
- arstechnica.com(新しいタブで開きます)報道arstechnica.com