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業界動向

マイクロソフト、初の独自AIチップ「Maia 100」とCPU「Cobalt 100」を発表

公開 拡散指数 51

Microsoftは年次イベント「Ignite」にて、生成AI向けに自社設計したアクセラレータ「Azure Maia 100」とArmベースのCPU「Azure Cobalt 100」を発表しました。Azure上でCopilotやOpenAIのモデルを動かす基盤となります。クラウド大手3社の中で最後発として自社シリコンを投入し、激化する計算資源の最適化を急ぎます。

マイクロソフト、初の独自AIチップ「Maia 100」とCPU「Cobalt 100」を発表
画像:zdnet.com

生成AIブームの裏側で、大手クラウド企業が頭を抱え続けてきたのが計算資源のコストとNvidiaへの依存でした。

年次開発者会議「Ignite」において、Microsoftは長年開発が噂されていた2つの自社製カスタムチップを発表しました。生成AI処理に特化したAIアクセラレーター「Azure Maia 100」と、汎用クラウド向けCPU「Azure Cobalt 100」です。

5nmプロセスに1050億トランジスタを凝縮

AI向けアクセラレーターのMaia 100は、5ナノメートルプロセスを採用し、1050億個のトランジスタを集積しています。同社はこのプロセスで作られたチップとして最大級のサイズであると説明しています。

Maiaは生成AIタスク向けに設計されており、GitHub Copilotなどの社内サービスだけでなく、110億ドルを出資したOpenAIの生成AIモデルを実行する基盤としても利用されます。

同時に発表されたAzure Cobalt 100は、ARMアーキテクチャを採用した64ビットCPUです。1ダイあたり128個のコンピュートコアを搭載し、従来のAzure向けARMチップと比較して消費電力を40%削減します。すでにMicrosoft TeamsやAzure SQLの基盤として実稼働を始めています。

両チップは毎秒200ギガビットのネットワークに対応し、毎秒12.5ギガバイトのデータスループットを提供します。

クラウド大手3社で最後発、それでもNvidiaとの関係は維持

クラウド大手の中で、自社設計チップへの参入はMicrosoftが最も遅い展開となりました。Googleは2016年にTPUを投入し、AmazonもGravitonやTrainium、Inferentiaを相次いで展開してきた経緯があります。

もっとも、MicrosoftはNvidiaやAMDとの協業関係を維持する姿勢を強調しています。来年にはNvidiaの最新GPUであるH200や、AMDの競合GPUであるMI300をAzureに導入する計画です。

これは、AI需要の爆発的な拡大に自社チップだけでは対応しきれない事情を反映しています。直近四半期におけるGitHub Copilotの有料顧客数は前四半期比で40%増加し、世界3万7000社以上で100万人を超える有料ユーザーを抱えているとSatya Nadella CEOは明かしています。

なぜ重要か

今回の自社チップ開発は、Nvidiaを排除するためではなく、クラウド事業者としての交渉力と利益率を守るための現実的な一手だと私たちは考えています。

一般の開発者や企業ユーザーが直ちにMaiaチップを指名買いすることはありません。しかし、TeamsやSQLなどの既存サービスを電力効率に優れたCobaltへ移行し、Copilotの推論負荷をMaiaで吸収できれば、AIサービスの運用コストを抑え、価格の急激な高騰を防ぐ効果が期待できます。

業界全体にとっても、Azureが自前の足場を固めた意味は大きいです。Nvidiaの供給不足に振り回され続けるリスクを軽減しつつ、外部GPUの調達と自社シリコンを使い分ける戦略が取れるようになります。巨額のインフラ投資が続く中、Microsoftが計算基盤を自前でコントロールし始めたことは、今後のAIサービス競争における確実な防衛線となるはずです。

情報源 (2)

  1. [1]
    zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com
  2. [2]
    linkedin.com(新しいタブで開きます)報道linkedin.com

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