マイクロソフト、初の自社開発モデル「MAI-Voice-1」と「MAI-1-preview」を発表
Microsoftは自社開発のAIモデル2種を発表した。音声モデル「MAI-Voice-1」は単一GPUで1分の音声を1秒未満で生成でき、Copilotに導入済み。「MAI-1-preview」は約1.5万基のH100で学習した混合エキスパート型モデルで、LMArenaで公開テストを開始した。

これまでCopilotといえば、実質的にOpenAIの技術に依存しているという印象が強くありました。しかし、その構図に明確な変化が訪れています。
マイクロソフトのAI部門であるMicrosoft AI(MAI)は8月28日、初となる独自開発の基盤モデル「MAI-1-preview」と、高速な音声生成モデル「MAI-Voice-1」の2つを発表しました。
1秒で1分の音声を生成、1万5000基のH100で学習した独自基盤
MAI-Voice-1は、表現力豊かで自然な発話を目的とした音声生成モデルです。単一の話者だけでなく、複数話者の会話シナリオにも対応しています。
際立っているのはその圧倒的な処理速度です。単一のGPU上で、1分間分の音声を1秒未満で生成できると説明されています。すでにCopilot DailyやPodcastsの機能に組み込まれており、Copilot Labsではストーリー作成や瞑想ガイダンスのデモを試すことができます。
一方のMAI-1-previewは、同部門がエンドツーエンドで独自に事前学習および事後学習を行ったMixture of Experts(MoE)モデルです。約1万5000基のNVIDIA H100 GPUを用いて開発されました。
このモデルは現在、評価プラットフォームであるLMArenaで公開ブラインドテストが行われており、信頼できるテスター向けにAPI提供の申請も受け付けています。数週間以内にはCopilotの一部のテキスト機能にも順次展開される予定です。
あわせて、次世代のGB200クラスタがすでに稼働を開始していることも明らかにされました。
なぜ重要か
この発表は、マイクロソフトがOpenAI依存からの脱却と自社コントロールの確立に向けて、本気で舵を切ったことを示しています。
同社は今後もパートナーやオープンソースのモデルを併用すると説明していますが、1万5000基ものH100を投じて自前モデルを訓練した事実は軽視できません。数億人規模のユーザーへサービスを展開するにあたり、外部モデルへのAPI依存は運用コストや機能改善の速度において大きな足かせになるからです。
特にMAI-Voice-1が示した「単一GPUで1秒未満に1分の音声」という高効率は、音声対話体験のレイテンシとサーバーコストを大幅に下げる実践的な成果といえます。Copilot Labsのデモは手軽に触れるため、試してみる価値があります。
巨大な配信プラットフォームと潤沢な計算資源を持つ巨人が、自社製モデルのフライホイールを本格的に回し始めたことは、競合モデル開発企業にとって大きな脅威となるはずです。
情報源 (1)
- microsoft.ai(新しいタブで開きます)原文microsoft.ai