Microsoft Designerが一般公開:iOS・Androidアプリも無料提供へ
マイクロソフトは AI デザインツール「Microsoft Designer」を個人アカウント向けに一般公開し、iOS および Android 向け無料アプリの提供を開始しました。プロンプトテンプレートやステッカー生成、画像のスタイル変換などの機能を備え、Word や Windows「フォト」とも連携します。毎日 15 回の生成枠が無料で付与されます。

デザインを作ろうとして白いキャンバスを前にしたとき、何から始めればいいか分からず手が止まってしまう人は少なくありません。
MicrosoftはAIデザインツール「Microsoft Designer」のプレビューを終了し、個人のMicrosoftアカウント向けに一般提供を開始しました。Web版は80以上の言語に対応し、iOSおよびAndroid向けの無料モバイルアプリやWindowsアプリも提供されます。
Wordや写真アプリに直接組み込まれるAI編集
今回の正式版における最大のポイントは、Designerが単体のWebサイトにとどまらず、日常の作業環境に溶け込んでいる点です。
Copilot Proを契約しているユーザーは、WebやPCアプリのWordおよびPowerPointから直接Copilotを呼び出し、指示文を入力するだけでスライドや文書に合わせた画像を生成できます。Wordでは、文書の内容を読み取って自動でバナー見出しをデザインする機能も近日中に追加される予定です。
Windows標準の「フォト」アプリとの連携も始まりました。Windows Insider向けに配信されているバージョン2024.11070.12001.0以降のフォトアプリでは、アプリを離れることなく不要なオブジェクトの消去、背景の削除、自動トリミング、テキストの追加といったDesigner由来の編集が行えます。将来的にはMicrosoft Edgeブラウザにも同様の機能が搭載される予定です。
プロンプトのひな形とスタンプ作成機能
AIへの指示出しに不慣れなユーザー向けに、プロンプトテンプレート機能が用意されました。あらかじめアイデアや画風の指定が組み込まれており、単語を少し書き換えるだけで好みの画像を出力できます。作成したテンプレートは共有も可能です。
さらに、メッセージアプリで使える自作ステッカー、絵文字、クリップアート、モノグラム、アバターなどを短い言葉から作成する機能や、誕生日カードや招待状の作成機能も備わっています。手持ちの写真を別のアートスタイルに変換する「Restyle image」や、額縁・コラージュ機能、物撮り写真の背景を差し替える機能も順次展開されます。
利用枠として、無料の個人アカウントには毎日15回分の高速生成ブーストが付与されます。Copilot Proユーザーは1日100回まで高速生成が可能です。
なぜ重要か
一般ユーザーやオフィスワーカーにとって、わざわざMidjourneyのような外部AIを契約したりPhotoshopの使い方を学んだりすることなく、使い慣れたWordやWindows上でちょっとした図版を用意できる手軽さは大きなメリットです。無料ですぐ試せるため、手元で試してみる価値は十分にあります。
業界の視点で見れば、これはCanvaが切り開いた手軽なデザインツールの領域に対するMicrosoftからの本格的な攻勢です。Canvaは手軽なテンプレートで非デザイナー層を囲い込んできましたが、MicrosoftはOS標準の写真アプリやOfficeという圧倒的な導線で対抗しようとしています。
私たちは、この「ユーザーの作業動線の中に機能を押し込む」やり方は非常に賢いと考えています。新しいツールを開かせるハードルをなくせるからです。一方で、無料枠の1日15回という制限は、試行錯誤を繰り返すとすぐに消費してしまいます。手軽なスライド作成には重宝するものの、凝ったデザインを求めるユーザーをどこまで満足させられるかは今後の機能強化次第と言えます。
情報源 (1)
- microsoft.com(新しいタブで開きます)原文microsoft.com