Meta、初のMoE多モーダル「Llama 4」公開:1000万トークン対応
Metaは初のMoE型ネイティブ多モーダルオープンモデル「Llama 4 Scout」と「Maverick」を発表しました。両モデルともにアクティブパラメータは17Bで、Scoutは最大1000万トークンの文脈長を処理できます。約2兆パラメータの教師モデルBehemothも予告されています。

Llama 4 ScoutとLlama 4 Maverickは、Metaがオープンウェイト形式で公開した最新のネイティブ多モーダルAIモデルです。従来の高密度アーキテクチャから混合エキスパート(MoE)へと全面的に移行しており、どちらもトークン生成時のアクティブパラメータを170億(17B)に抑えつつ高い性能を引き出しています。
特筆すべきは文脈長の広さです。小型のScoutは最大1000万トークンという業界最高水準のコンテキストに対応し、大型のMaverickも100万トークンをサポートします。
何ができるか
両モデルは「アーリーフュージョン」技術を採用し、テキストと視覚データを最初から同一のバックボーンで統合学習しています。最大48枚の画像入力に対応し、複数画像にまたがる推論や動画フレームの時系列解析を高精度にこなします。
Llama 4 Maverickは総パラメータ4000億(400B)、128エキスパート構成の汎用フラッグシップです。Metaの測定によると、推論、プログラミング、多言語処理、画像理解の各ベンチマークでGPT-4oやGemini 2.0を上回り、DeepSeek V3.1とも互角に競い合います。
一方のLlama 4 Scoutは総パラメータ1090億(109B)、16エキスパート構成で、1000万トークンの長大な入力処理に特化しています。巨大なソースコードベース全体や過去数年分のログデータを一度に読み込ませて要約・推論させることが可能です。
さらにMetaは、両モデルの蒸留元となった約2兆パラメータの巨大教師モデル「Llama 4 Behemoth」の存在も明かしています。Behemothは現在も学習中ですが、MATH-500などの難関ベンチマークでGPT-4.5やClaude 3.7 Sonnetを凌駕するとされています。
動作環境と技術的な特徴
アクティブパラメータは17Bですが、推論時には全パラメータをVRAM上に保持する必要があります。
Scoutは4ビット(Int4)量子化を適用することで、単一のNVIDIA H100(80GB)GPU上で動作させることができます。手元に巨大なサーバークラスタがなくても単一ノードで検証が可能です。
Maverickは総パラメータが4000億あるため、BF16またはFP8精度で動作させるには8基のH100を搭載したDGXホストが標準的な構成となります。
1000万トークンの文脈長を実現した背景には、位置エンコーディングを持たない層を定期的に挟み込む「iRoPE」構造の採用があります。モデルの重みはHugging Faceおよびllama.comからLlama 4コミュニティライセンスの下でダウンロードでき、transformers v4.51.0以降で即座にロード可能です。
なぜ重要か
開発者にとって、Scoutの1000万トークン対応は複雑なRAG(検索拡張生成)パイプラインの構築負担を大きく引き下げてくれます。大量のドキュメントやコードをそのままプロンプトに流し込める環境が、単一のH100で実現できる実用性は見逃せません。
MetaがMoEとネイティブ多モーダルへ舵を切ったのは極めて合理的な判断に見えます。推論コストを17B相当に抑えながら、閉源トップモデルに迫る知能をオープンに提供するアプローチは、今後のオープンソースAIコミュニティの標準的な開発基盤になっていくはずです。
情報源 (3)
- ai.meta.com(新しいタブで開きます)原文ai.meta.com
- llama.com(新しいタブで開きます)報道llama.com
- huggingface.co(新しいタブで開きます)報道huggingface.co
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