Metaが全社員の約10%にあたる7800人を削減へ AI部門には7000人以上を再配置
Metaは従業員の約10%にあたる約7800人の削減を通告しました。投資の相殺と経営効率化が目的とされ、退職者には最低16週分の退職手当などが支給されます。一方で7000人以上の人員を新たなAI事業へと振り替える計画で、AIへの集中が鮮明になっています。

巨大IT企業がデータセンターやGPUへ巨額の投資を続ける中、その原資をどこから捻出するのかという問題に、Metaは極めて率直な答えを出しました。既存部門の人員を整理し、浮いた予算と人材をすべてAIへ振り向けるという決断です。
Business Insiderが入手した社内メールによると、Metaは全社員約7万8000人の10%にあたる約7800人を解雇する旨を対象者に通知しました。Metaはこの件に関してコメントを控えています。
メール内の説明は極めて直接的でした。人員削減は「経営をより効率的に進めるための継続的な取り組み」の一環であり、「現在行っている他の投資を相殺するため」と明記されています。急増するAIインフラへの投資を賄うため、人件費の圧縮に踏み切った形です。
アクセス権限は即時停止、退職手当は手厚く維持
通知が送られた当日の朝、対象となった従業員の社内システムへのアクセス権やオフィスの入館バッジは直ちに無効化されました。すでにオフィスに出社していた従業員には、身の回りの私物をまとめて帰宅するよう案内されています。
一方で、提示された離職パッケージは手厚い内容となっています。対象者は有給の「非就労予告期間」に入り、退職日までは基本給の支払いや有給休暇の積算、自社株(RSU)の権利確定が継続します。
正式な退職手当としては、基本となる16週分の給与に加え、勤続年数1年ごとに2週分が加算されます。さらに18か月分の健康保険料(COBRA)の全額補助、Lee Hecht Harrisonを通じた3か月間の再就職支援、就労ビザ保有者向けの法的支援などが用意されています。なお、退職日より前にMeta内の他部署へ異動が決まった場合は雇用が維持され、退職手当は無効となります。
7800人を削減する裏で、7000人をAIへ大移動
今回の動きで特に注目すべきは、単なる組織の縮小ではなく、抜本的な事業の組み替えが行われている点です。
約7800人の削減を通告する一方で、Metaは既存の従業員7000人以上をAI関連の新たなプロジェクトへ再配置する計画を明らかにしました。
つまり、会社全体として人が不要になったわけではなく、AIに直結しない部門の人員を削り、浮いた枠をそのままAIモデル開発や基盤整備へと注ぎ込んでいるということです。
なぜ重要か
私たちは、このリストラが「AIへの投資フェーズ」から「AIのために組織全体を解体・再構築するフェーズ」への転換を決定づけたと考えています。
エンジニアやIT人材にとって、教訓は明快です。既存の広告やSNS、社内ツールの保守といった分野で安定した成果を出していても、それが経営陣の描くAIロードマップから遠ければ、真っ先に削減の対象になり得ます。実務をAI開発や導入の現場へ引き寄せておくことが、これまで以上に重要になります。
業界全体にとっても、Metaの動きは強い影響を与えます。莫大なインフラ費用を投じながらも、非中核部門を削ることで利益率を保てるとウォール街に示したことで、GoogleやMicrosoftといったライバル各社も同様の再編を迫られる可能性が高まりました。
財務的には合理的で隙のない判断に見えますが、7000人規模の人員を短期間でAI部門へシフトさせる試みには大きな摩擦が伴います。異動した人材がどれだけ迅速に成果を出せるか、そして度重なるリストラによる社内士気の低下を抑えられるかが、今後の成否を分けることになりそうです。
情報源 (1)
- businessinsider.com(新しいタブで開きます)原文businessinsider.com