LingBot-World:Wan2.2基盤のオープンソースリアルタイム世界モデル
robbyant がリアルタイム世界シミュレータ「LingBot-World」のコードとモデルを公開した。Wan2.2 をベースに、テキストや画像から 16 FPS・1 秒未満の遅延で 480P/720P の操作可能環境を生成し、分単位の長期記憶も維持する。閉鎖的モデルに対する有力なオープン代替となる。

LingBot-World は、テキストや 1 枚の静止画から、キーボードやコントローラで探索可能な仮想空間をリアルタイムに生成するオープンソースの世界モデルだ。
robbyant チームが開発し、基盤にはオープンソース動画モデル Wan2.2 を採用している。ゲーム開発やインタラクティブ表現、ロボット学習に向けた実用的なオープン基盤の提供を目指している。
何ができるのか
LingBot-World の強みは、リアルタイムの低遅延描画と長時間の空間一貫性を両立している点にある。
生成速度は 16 FPS、遅延は 1 秒未満に抑えられており、解像度は 480P と 720P に対応する。初期画面を生成した後は、キーボード操作で空間内を自由に移動できるほか、プロンプトを追加して天候を変えたり、背景を差し替えたり、キャラクターやエフェクトを登場させるといった編集もリアルタイムで行える。
実写風の景観からサイエンス系シミュレーション、アニメ風表現まで幅広い画風に対応し、ドラゴンに乗って空を飛ぶ場面や海底探検なども表現可能だ。
さらに注目すべきは長期記憶の保持能力だ。既存の動画生成では視界から外れたオブジェクトが崩れやすいが、LingBot-World は分単位の時間軸で一貫したシーンを記憶できる。別の場所へ移動してから元の地点に戻っても、同じ建物や物体が保たれる。
動かし方とハードウェア要件
制御方式として、カメラ姿勢(Camera Poses)で視点を誘導するモデルと、行動コマンド(Actions)で動かすモデル、さらに高速推論向けの Fast 版が用意されている。
コードとモデル重みは GitHub、Hugging Face、ModelScope で公開されている。環境には PyTorch 2.4 以上と flash-attn が必要となる。
ただし、ローカル環境での推論ハードルは高い。公式の推奨スクリプトは 8 枚の GPU による分散並列処理(DiT / T5 の FSDP および Ulysses)を前提としており、一般的なコンシューマー向け PC の単体 GPU ではそのまま動かすのが難しい。手軽に触ってみたいユーザー向けには、Reactor が提供する Web ブラウザ上のオンラインデモが用意されている。
なぜ重要か
Google の Project Genie など、リアルタイム対話型の世界モデルは非公開や限定テストにとどまるケースが多かった。LingBot-World はモデルコードと重みを丸ごとコミュニティに開放した貴重な代替案だ。
動作環境の重さは今後の課題だが、ロボット学習のシミュレータ構築やゲームのプロトタイプ制作において、オープンな土台が手に入った意味は大きい。
情報源 (1)
- github.com(新しいタブで開きます)原文github.com