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研究

上海交通大と清華大が全光AIチップ「LightGen」発表、A100比で100倍超の高速化

公開 拡散指数 31

上海交通大学と清華大学の研究チームが全光生成AIチップ「LightGen」を発表した。画像生成などの処理において、NvidiaのA100 GPUと比べて100倍以上の速度とエネルギー効率を達成したという。メタサーフェス技術で光学潜在空間を実現したが、現在は外部レーザーなどを要し研究室段階にとどまる。

上海交通大と清華大が全光AIチップ「LightGen」発表、A100比で100倍超の高速化
画像:singularityhub.com

生成AIで画像を千枚出力するだけで、ガソリン車を4マイル以上走らせるのと同じ量の二酸化炭素が排出されるという試算があります。AIモデルの進化に伴い、この膨大な電力消費をどう抑えるかが切実な課題となっています。

こうしたなか、中国の上海交通大学と清華大学の研究チームが、光技術だけで動作する全光型生成AIチップ「LightGen」を開発し、米科学誌Scienceに論文を発表しました。

このチップは、動画や画像の生成タスクにおいて、Nvidiaの主力GPUであるA100と比較して100倍以上の処理速度とエネルギー効率を達成したと報告されています。

200万個の人工ニューロンを3D実装

電気の代わりに光で計算を行う光コンピューティングは、以前から低消費電力化の本命として注目されてきました。しかし、従来の光チップは画像分類や単純なテキスト処理など、負荷の軽いタスクに用途が限られていました。

最大の壁は集積度でした。生成モデルを動かすには膨大なパラメータが必要ですが、これまでの光チップには数千個の人工ニューロンしか搭載できなかったためです。

研究チームは3Dパッケージング技術を導入し、わずか0.25平方インチの素子上に200万個以上の人工ニューロンを集積させることに成功しました。

これにより、512×512ピクセルの画像を直接処理できるようになりました。従来の光チップのように高解像度画像を小さく切り分けて順次計算する必要がなくなり、画像全体の相関関係を保ったまま一括処理できます。

光ファイバー内に構築された光学潜在空間

生成AIの根幹には、膨大な画像データを圧縮して本質的な特徴だけを取り出す「潜在空間」という仕組みがあります。

LightGenはこの処理をすべて光学的に再現しました。超構造表面(メタサーフェス)で構成された光学エンコーダーに光を通し、光ファイバーのアレイに結合させることで、余分な情報を削ぎ落として光ファイバー内に光学潜在空間を作り出します。

出力側にも切り替え可能なメタサーフェスが配置されており、この潜在空間から高解像度の画像を復元します。さらに確率的なデータ表現を学習する新たなトレーニング手法を導入したことで、画像のスタイル変換や2D画像からの3Dモデル生成といった高度なタスクも実現しました。

ただし、このチップが明日からデータセンターに並ぶわけではありません。信号入力には依然として大型のレーザーや空間光変調器が必要ですし、コアとなるメタサーフェスも一般的な半導体工場では製造できない特殊なプロセスで作られています。

なぜ重要か

LightGenの最大の意義は、光コンピューティングが生成AIという現代で最も重い負荷を実用水準の精度で動かせると証明した点にあります。

電気信号と光信号を頻繁に行き来させず、データの圧縮から生成までを光のまま完結させる設計は非常に合理的であり、光の高速性と並列性を最大限に引き出しています。

一方で課題も明確です。チップ本体は極小でも、周辺の光学機器が巨大なままではサーバーラックに収まりません。製造プロセスが標準化されていない点も、商用化への高いハードルとして立ちはだかります。

一般の開発者や企業が今すぐ試せる技術ではありませんが、Nvidia製GPUの電力消費に頭を抱えるAI業界にとって、光チップが理論上の存在から現実の選択肢へと一歩踏み出したインパクトは小さくありません。

情報源 (1)

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    singularityhub.com(新しいタブで開きます)原文singularityhub.com

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