Kuaishouが「Kling 2.0」発表、動画内の要素編集に対応し世界ユーザー2200万人突破
Kuaishouは動画生成AI「KLING 2.0」と画像生成AI「KOLORS 2.0」を正式発表しました。動画内の要素をプロンプトや画像で自由に追加・削除・置換できる編集機能を導入。サービス開始から世界ユーザー数が2200万人を突破したことも明かしました。
AIで動画を作ったことがある人なら、思い通りのカットが出たのに背景に不要なものが映り込み、再生成したら全体の構図や顔まで完全に変わってしまったという経験があるはずです。
中国の快手(Kuaishou)は、そのガチャのような制作環境を変えようとしています。同社は4月15日に北京で開催したイベントで、動画生成モデル「KLING 2.0(可霊)」と画像生成モデル「KOLORS 2.0(可図)」を正式にグローバル公開しました。
昨年6月の提供開始以来、可霊は20回以上のアップデートを重ね、世界全体のユーザー数は2200万人を突破しました。快手でコミュニティサイエンス部門を率いる高級副総裁のガイ・クン(Gai Kun)氏によると、世界で1万5000人以上の開発者がAPIを利用しており、これまでに約1200万枚の画像と4000万本以上の動画が生成されています。
再生成に頼らず、動画内の要素を直接いじる
今回の目玉は、マルチモーダル視覚言語(MVL)という新しい操作概念と、それに基づく「マルチエレメントエディター」の搭載です。
従来のAI動画は、少し修正したいだけでも全体を一から作り直す必要がありました。しかし新機能では、既存の動画クリップに対してテキストや画像を指定することで、特定の要素だけを差し替えたり、追加や削除を行ったりできます。
可霊AIの責任者を務める張迪(Zhang Di)氏によると、可霊で生成される動画の約85%が「画像から動画(Image-to-Video)」の機能によって作られています。つまり、最初の静止画のクオリティが動画全体の出来栄えを大きく左右します。
これに対応するため、同時刷新されたKOLORS 2.0はプロンプトの忠実度や映画のような質感を向上させ、60種類以上の画像スタイル変換に対応しました。さらに同社は、数百万規模の資金援助や機能先行アクセスを提供するクリエイター育成プログラム「NextGen Initiative」も発表しています。
なぜ重要か
快手の狙いは、動画AIを「おもちゃ」から実際の「制作ツール」へ引き上げることにあると見られます。
広告や映像制作の現場で最大の課題は、監督の指示通りに細かいディテールを調整できない点にありました。生成した動画の一部分だけを狙って差し替えられるなら、無駄なリテイクの回数は劇的に減り、クリエイターにとっての実用性は一気に高まります。
また、ユーザーの85%が画像からの生成を使っている実態に合わせ、ベースとなる画像生成モデルを徹底的に磨き直した点も手堅いアプローチです。ベンチマーク機関Artificial Analysisの3月末の評価でも、可霊のProモデルは画像動画生成部門でGoogleのVeo 2などを抑えて首位を獲得していました。
一方で、激しい動きや複雑な光の反射があるシーンで、要素を差し替えた際に物理的な破綻や画面のチラつきがどこまで抑えられているかは、実際の現場で検証される必要があります。それでも、単なる画質の競争から「編集のしやすさ」へと戦場を移した意味は小さくありません。
情報源 (1)
- techbullion.com(新しいタブで開きます)原文techbullion.com