Uber元CEOが挑む厨房自動化、毎時300食を組み立てるロボット公開
Uber元CEOのトラビス・カラニック氏率いるCloudKitchensが、自動調理組立ロボット「Bowl Builder」を発表した。わずか60平方フィートの装置で毎時300食を盛り付け、蓋閉めから袋詰め、保温ロッカーへの搬送まで自動化。人件費率を従来の35%から7%程度まで削減するという。
Uberの共同創業者で元CEOのトラビス・カラニック氏が、再び巨大産業の破壊に乗り出しました。
同氏が率いるCloud Kitchensは、ポッドキャスト番組「The All In Pod」にて、食事の調理から配達までの全工程を自動化する構想「自律型ブリトー(autonomous burrito)」を披露しました。ゴーストレストランの場所貸しにとどまらず、ロボットによる完全自動のフードインフラを構築する狙いです。
わずか5.6平米で毎時300食を作るマシン
この計画の中核を担うのが、社内ラボ「Lab37」が開発した「Bowl Builder」と呼ばれる自動盛り付け機です。設置面積はわずか60平方フィート(約5.6平方メートル)ですが、1時間に300食もの丼物やサラダボウルを製造できます。
注文が入ると、小さな台車がレールの上を走り、各ディスペンサーの下で正確に停止します。米や豆、チキン、レタスなどの具材がグラム単位の精度で自動計量されて投入されます。
その後、ソースがかけられ、蓋が閉められ、カトラリーと一緒に袋詰めされて密閉されます。袋はコンベアを通じて無人搬送車(AGV)に運ばれ、温度管理された専用ロッカーに格納されます。配達員が到着し、スマホ画面をカメラにかざすだけでロッカーが開く仕組みです。
一般的なファストカジュアル店では人件費が売上の30〜35%を占めますが、カラニック氏によれば、このシステムを導入することで人件費を7〜10%にまで圧縮できるといいます。人間の仕事は下準備と食材の補充だけで、その後は完全に無人で稼働し続けます。
目指すは「インターネット・フードコート」
現在のマシンは事前に調理された具材を組み合わせる「アセンブリ」に特化しています。カラニック氏が語る次のハードルは、ハンバーグを焼く、ポテトを揚げる、パンを焼くといった「調理(状態変化)」の工程を自動化し、ラインに統合することです。
最終的な目標は、約740平方メートルの施設に高度なロボットを配置した「インターネット・フードコート」です。投入口を50〜100種類に増やすことで、タイ風グリーンカレーからケトジェニック向けの特製ボウルまで、無限のメニューをオンデマンドで生成できるようになります。
カラニック氏は、地域のレストランを駆逐するつもりはないと説明しています。狙っているのは外食ではなく、家庭内で消費される食事の85%です。スーパーで食材を買って自分で料理するよりも安く、高品質な食事を届けられるなら、家で料理する習慣そのものが置き換わるという計算です。
なぜ重要か
消費者にとっては、注文ミスのない均一なクオリティの食事が、これまでより大幅に安く早く手に入るメリットがあります。具材が少なかったりソースが忘れられたりといったヒューマンエラーは完全に排除されます。
飲食業界にとっては、店舗運営がサービス業からマイクロ製造業へと変貌することを意味します。盛り付けや袋詰めに多くの人手を割いている大手ファストフードチェーンは、コスト構造の面で激しい価格競争にさらされる可能性があります。
私たちは、カラニック氏の外食ではなく内食市場を取りに行く戦略は非常に合理的だと考えます。しかし、生鮮食品や粘り気のあるソースを機械で高精度に扱い続けるには、ノズル詰まりや衛生管理といった物理的な課題が常に付きまといます。ひとたび機械トラブルが起きればライン全体が止まるリスクをどう抑え込むかが、今後の成否を分けるはずです。
情報源 (1)
- theneuron.ai(新しいタブで開きます)原文theneuron.ai