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業界動向

AI創薬のIsomorphic Labs、20億ドル超の大型調達を協議中

公開 拡散指数 48

Google DeepMindからスピンアウトしたAI創薬企業のIsomorphic Labsが、20億ドル超の新たな資金調達に向けて詰めの交渉を行っていることが分かった。昨年初回ラウンドを主導したThrive Capitalが今回もリードし、Alphabetも参加予定で、AI創薬への旺盛な投資意欲を示している。

従来の創薬といえば、1つの新薬を生み出すために10年以上の歳月と数十億ドルの費用を投じるのが常識でした。しかし、そのプロセスをAIによる計算科学へと根本から作り変える挑戦に、世界中から巨額の資金が集まりました。

米Alphabet傘下のGoogle DeepMindからスピンオフした創薬ベンチャーIsomorphic Labsは、21億ドル(約3,200億円規模)の資金調達を実施したことを発表しました。昨年の初回ラウンドを率いたThrive Capitalが今回も主導し、親会社のAlphabetやGVに加え、アラブ首長国連邦のMGX、シンガポールのTemasek、CapitalG、英国ソブリンAIファンドが新規投資家として参加しています。

独自エンジン「IsoDDE」を臨床へ

調達した資金は、同社が独自に開発したAI創薬エンジン「IsoDDE」の開発と展開に充てられます。コンピュータ上での構造予測にとどまらず、実際の治療薬候補を臨床試験(治験)の段階へと進めるためのパイプライン拡大を本格化させます。

また、世界各拠点でAI研究者やソフトウェアエンジニア、創薬設計や臨床試験の専門人材の採用も強化します。同社プレジデントのMax Jaderberg氏によると、IsoDDEはすでに社内プログラムで複数のマイルストーンを達成し、かつてない速度で有望な候補物質を特定できていると説明しています。

同社はすでにノバルティス(Novartis)、イーライリリー(Eli Lilly)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)といった大手製薬企業との戦略的提携を結んでおり、技術の実用化を着実に進めています。

なぜ重要か

今回の調達は、AI創薬が「基礎研究の支援ツール」から「製薬産業のインフラ」へと脱皮しつつあることを示しています。

研究開発現場にとって、AlphaFoldを生み出したDemis Hassabis氏率いるチームが独自の統合創薬エンジンを臨床へ進めるインパクトは絶大です。これまで長期間の試行錯誤を要していた標的探索からリード最適化までの工程が圧縮されれば、既存の製薬会社や受託研究機関(CRO)のビジネスモデルに大きな変革を迫ることになります。

投資元の顔ぶれを見ても、Alphabetのグループ企業だけでなく、MGXやTemasek、英国の国家ファンドを巻き込んだ点は巧みです。創薬は膨大な計算リソースと実験費用を長期にわたって消費するため、国家規模の潤沢な資本基盤を固めたことは大きな強みになります。

もっとも、AIがどれほど高精度に分子を設計できても、人体を対象とする臨床試験そのものをAIで劇的にスキップできるわけではありません。安全性の確認や有効性の証明には依然として厳格な時間がかかります。臨床現場で実際に病気を治せる薬として結実するかどうか、莫大な期待とともに真の試練が始まります。

情報源 (2)

  1. [1]
    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
  2. [2]

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