IntelがGaudi 3を発表:Nvidia H100より最大1.7倍高速とアピール
IntelはVision 2024で企業向けAIチップ「Gaudi 3」を発表した。TSMCの5nmプロセスと128GB HBM2eを搭載し、LLaMAなどのモデルでNvidia H100と比べ最大1.7倍高速、電力効率は2.3倍向上したと主張している。空冷版は第3四半期、液冷版は第4四半期に投入予定。

Nvidia の GPU 不足に頭を抱える企業に向けて、Intel が本格的な対抗策を打ち出しました。
同社はイベント「Vision 2024」にて、最新の AI アクセラレーター「Gaudi 3」を発表しました。ターゲットは明確で、市場の大半を牛耳る Nvidia の主力データセンター向けチップ「H100」です。
5nm 採用で H100 越えの処理性能をアピール
Gaudi 3 は前世代の Gaudi 2 のアーキテクチャを踏襲しつつ、製造プロセスを TSMC の 7nm から 5nm に刷新しています。
内部的には 2 基のダイを高帯域インターコネクトで接続した構造を採用しました。合計 64 基のプログラマブル テンソル プロセッサ コア、8 基の行列乗算エンジン、そして 96MB の内蔵キャッシュを搭載しています。
メモリは最大 128GB の HBM2e を搭載し、帯域幅は 3.7 TB/s、消費電力は 900W TDP に達します。
Intel の公表値によると、GPT-3 175B や Llama 2 7B の学習タスクにおいて、H100 比で最大 1.7 倍、平均して約 50% 高速と主張しています。また、Llama 2 や Falcon 180B を使った推論タスクでも H100 より 50% 高速であるとしています。
さらに電力効率の面でも、H100 と比較して最大 2.3 倍優れているとアピールしています。
空冷モデルはすでにパートナーへのサンプル出荷が始まっており、第 3 四半期に一般提供を開始します。水冷モデルは第 4 四半期に登場する予定です。
迫る Nvidia の次世代機と価格の壁
数字の上では強力な Gaudi 3 ですが、いくつかの留意点も指摘されています。
まず、Intel は比較対象とした H100 の具体的なハードウェア構成やシステムスペックの詳細を明かしていません。
また、比較対象となった H100 は現行のベストセラーですが、Nvidia の開発ペースは止まっていません。第 2 四半期には H200 の出荷が見込まれており、次世代の Blackwell B200 もすでに発表されています。
Gaudi 3 が本格的に市場に出回る下半期には、競合環境が一段階進んでいる可能性があります。
価格設定も重要なポイントですが、Intel は現時点で Gaudi 3 の価格を公開していません。H100 は 3 万から 4 万ドル前後で取引されているとされ、競合する AMD の Instinct MI300 シリーズは 1 万から 1 万 5000 ドル程度と報じられています。
なぜ重要か
大半のテック企業が AI チップの供給不足に苦しみ、Microsoft や Meta が自社チップの開発に乗り出すなか、Intel が実用的な代替ハードウェアを提示した意義は大きいです。
AI クラスターを構築したい企業にとって、Gaudi 3 が魅力的な選択肢になるかどうかは、安定供給と価格設定に直結します。もし AMD 並みの戦略的価格を打ち出せれば、Nvidia の割り当てを待てない層の需要を奪えるはずです。
業界全体で見れば、Blackwell ではなく現在最も普及している H100 を標的に定めた Intel の戦術は現実的で賢明だと私たちは考えます。現実的な需要の山を確実に崩しにいくアプローチだからです。
一方で最大の懸念は依然としてソフトウェア環境にあります。Nvidia の真の強みは長年培われた CUDA エコシステムであり、ハードウェアのベンチマークがどれだけ優れていても、開発者がコードの移行コストを払うかどうかが成否を分けることになりそうです。
情報源 (2)
- gsmarena.com(新しいタブで開きます)原文gsmarena.com
- arstechnica.com(新しいタブで開きます)報道arstechnica.com