Humaneが「AI Pin」を終了、HPへ1億1600万ドルで事業売却
HumaneはOSや特許、チームを含む大半の資産をHPへ1億1600万ドルで売却し、AI Pinの販売を停止すると発表した。既存デバイスも2月28日以降はサーバー接続が切れ、AI機能などが利用不能になる。チームはHPのAI部門「HP IQ」に合流する。

スマートフォンを過去の遺物にすると豪語していたAI Pinが、発売から1年も経たずにその幕を閉じることになりました。
Humaneは同社の主要事業と資産を1億1600万ドルでHPに売却し、AI Pinの販売を即時停止すると発表しました。さらに、すでに購入された端末も間もなく完全に文鎮化します。
2月28日を過ぎると、できるのはバッテリー残量確認だけ
Humaneのサポート情報によると、既存のAI Pinが正常に動作するのは米東部時間2月28日午後3時までです。この時刻を過ぎるとHumaneのサーバーから切断されます。
サーバー切断後は、音声通話、メッセージ送受信、AI応答、クラウド連携を含むすべての機能が停止します。保存されている写真や動画、メモもすべて完全に消去されるため、期日までにダウンロードするよう呼びかけています。
サーバー停止後に機能するのはバッテリー残量の確認などごく一部のオフライン処理のみで、事実上の文鎮化となります。
返金対応も厳格です。出荷日から90日以内の返品可能期間にある端末のみが対象で、2025年2月27日までに申請する必要があります。先払いされた月額利用料は日割りで返金され、リコールで交換待ちだった充電ケースの代金も2月28日以降に一部自動返金されます。
10億ドルの売却希望から、1割強での身売りへ
AI PinはTEDでの華々しいプレゼンで話題をさらったものの、2024年4月に発売されるやいなや酷評の嵐にさらされました。The Vergeのレビューでは使い物にならないと断じられ、著名レビュアーのMKBHDにはこれまでレビューした中で最悪の製品と酷評されました。
8月には返品数が販売数を上回る事態に陥り、10月には値下げを余儀なくされていました。
Humaneは発売直後から身売り先を探し始め、当初は10億ドル規模の提示を行っていたと報じられていましたが、最終的な売却額は1億1600万ドルにとどまりました。
HPはHumaneのOSであるCosmOS、300件以上の特許や出願、技術スタッフを獲得します。元Apple幹部の創業者夫妻をはじめとするチームはHP内に新設されるHP IQ部門に移籍し、PCやプリンター、会議室システム向けのAI機能開発に携わる見込みです。
なぜ重要か
AI Pinの幕引きは、スマートフォンを置き換えると息巻いていた第一世代のスタンドアローン型AIハードウェアに対する決定的な審判だと私たちは考えています。
購入したユーザーにとって、今回の事態は最悪の結末です。クラウド接続に全面依存するハードウェアは、開発元がサーバーを止めた瞬間にカメラとしても使えない電子ゴミと化すリスクを改めて浮き彫りにしました。
HPの視点で見れば、300件を超える特許と旧Apple系の人材を1億ドル強で手に入れたディールは、知財獲得とアクハイア(人材買収)としては悪くない買い物に見えます。しかし、胸元につけるウェアラブル向けに作られたCosmOSを、オフィス向けPCやプリンターにどう転用するのかは未知数です。
結局のところ、遅くて熱を持ち、画面のないガジェットを服に留めたいユーザーなどいませんでした。すでに高性能な画面と処理能力を持つスマートフォンの利便性を超えられない限り、この手のハードウェアが生き残る道はないという教訓を残したと言えます。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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