Hallidayがレンズ不要のAIスマートグラス発表、網膜方向へ直接投影
CES 2025にて、Hallidayが独自のDigiWindow技術を搭載したAIスマートグラスを発表した。従来の導波管レンズを使わず、視界右上に直接情報を投影する。カメラを排除してプライバシーに配慮しつつ、会話を先回りして補助するプロアクティブなAIエージェントを備える。

スマートグラスを日常で使うとき、最大の障壁になるのが「カメラによる盗撮の懸念」と「レンズに光が反射して相手にバレる気まずさ」です。
CES 2025でウェアラブル新興企業のHallidayが披露したスマートグラスは、その両方を根本から覆すアプローチを採用しました。従来のARグラスのようにレンズへ映像を投記するのではなく、フレームから直接視野内に映像を送り込む「レンズレス」表示技術を搭載しています。
レンズがなくても見える3.5インチの極小ディスプレイ
映画『レディ・プレイヤー1』の開発者ジェームズ・ハリディにちなんで名付けられたこの製品は、スタンフォード大学の光学博士チームによって開発されました。レトロなマットブラックやべっ甲柄のデザインで、重さはわずか35グラムしかありません。
従来の導光板(ウェーブガイド)方式は、レンズに虹色のノイズが出たり前面に光漏れしたりする問題がありました。Hallidayはフレームの右上に「DigiWindow」と呼ばれる極小の近接投影モジュールを内蔵し、レンズを介さず着用者の視野の右上に3.5インチ相当の画面を直接浮かび上がらせます。
レンズ自体に何も投影しないため、度付きレンズはもちろん、レンズを抜いた状態でも画面が見えます。直射日光下でもクリアに視認でき、完全な暗闇で緑色の光がかすかに見える程度で、正面の相手からは画面の存在にまったく気づかれません。
さらにカメラを一切搭載していません。プライバシー問題で周囲を警戒させることなく、マイクを使った会話アシストや文字起こし、40言語のリアルタイム翻訳、ナビゲーション、プロンプター表示などが可能です。操作はフレームのタッチや音声のほか、トラックパッド付きの指輪型デバイスで行います。
問いかける前に答えてくれる「プロアクティブAI」
ソフトウェア側の特徴は、ウェイクワードを待つ受動的なアシスタントではなく、状況を先回りする「プロアクティブAI」です。
スマートフォンとBluetooth接続しアプリを立ち上げておくと、マイクを通じて会議の流れを把握し、質問への回答候補や関連情報を右上の画面へさりげなく提示します。終了後には要約メモを自動作成する機能も備えています。
バッテリー駆動時間は最大8時間で、2025年第1四半期末の出荷を予定しており、価格は399〜499ドルを想定しています。ただし、バックエンドでどのAIモデルが動いているのかや、月額サブスクリプションが必要になるのかはまだ明かされていません。
なぜ重要か
Hallidayが下した最大の英断は、カメラを完全に切り捨てた点にあると私たちは考えています。
カメラを省くことで画像認識などの機能は諦めることになりますが、その代わりに「あらゆるビジネス現場に堂々と持ち込める自然さ」を手に入れました。Meta Ray-Banのような盗撮疑惑を持たれる心配がなく、35グラムという軽さも手伝って、一日中普通のメガネとして装着し続けられます。
商談やプレゼンでカンペを見たいビジネスパーソンや、外国語でのやり取りが多い人にとって、相手に悟られずに視界の隅へ情報を出せる価値は極めて現実的です。399ドルからという価格設定も、単なる音声メガネよりは高いものの、指輪コントローラーと不可視ディスプレイが付いていると考えれば納得感があります。
懸念点は、先回りするAIが実際の会話でどこまで実用的かという点です。不要な情報が視界にちらつけば集中を削ぐノイズにしかなりません。また指輪の充電方式やAIの維持コストも不透明です。それでも、大げさな光学レンズに頼らずに必要な文字情報だけをこっそり届けるという引き算の設計は、スマートグラス実用化の現実的な解を示しています。
情報源 (3)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
- gamesbeat.com(新しいタブで開きます)報道gamesbeat.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com