xAI、Grok Buildに「Workflows」導入 最大1024体のエージェントで並行処理
xAIはGrok Buildに「Workflows」機能を発表した。自然言語で指示を出すと、AIがスクリプトを作成し、通常128体、大規模ジョブでは最大1024体の並行エージェントへタスクを分散して検証・統合を行う。作成したフローはスラッシュコマンドとして保存・チーム共有が可能だ。

巨大なプルリクエストのレビューや、数百件に及ぶ未処理のイシュー対応を1つのAIチャット画面でこなそうとすると、コンテキストウィンドウの上限に達して精度が落ちたり、長時間の待ち時間が発生したりします。
xAIは7月23日、Grok Build向けの新機能「Workflows」を発表しました。この機能により、単一の対話型AIという枠組みを超えて、バックグラウンドで数百から1000以上のエージェントを自律的に並列稼働させることが可能になります。
最大1024エージェントの並列処理と自律的な相互検証
Workflowsは、通常の1回の会話では保持しきれない複雑で多面的な作業向けに設計されています。大規模なPRに含まれる全機能の精査、蓄積された100件のイシューのトリアージ、コードベース全体にわたる特定脆弱性の監査などが典型例です。
利用者は自然言語で目的を指示するだけで、Grokが全体の実行スクリプトを自動作成します。作業はコンテキスト収集、レビュー、検証、統合といったフェーズに細分化されます。
割り当てられるエージェント数はデフォルトで128、大規模タスクでは最大1024に達します。すべての処理はバックグラウンドで非同期に実行されるため、ユーザーのメイン対話セッションがブロックされることはありません。
各エージェントは独立したクリーンなコンテキストで動作するため、余計な情報による精度の低下を防ぎます。さらに、最終レポートをまとめる前に別の独立した検証担当エージェントを走らせ、指摘事項の妥当性を厳しくチェックする仕組みも組み込まれています。
進捗は実行中リアルタイムに保存され、一時停止や再開を行っても完了済みの作業をやり直す必要はありません。`/workflows` コマンドを実行すれば、フェーズごとの進捗やエージェント単位のトークン消費量をモニタリングできます。
スクリプト作成不要、スラッシュコマンド化してチーム共有
ユーザー自身がオーケストレーション用のスクリプトを書く必要はありません。Grokが指示内容からスクリプトを生成し、実行前にスモークテストを行いながら調整します。
完成したワークフローは保存して再利用可能です。`.grok/workflows/` ディレクトリに置けばチーム内で即座に共有され、ホームディレクトリに保存すれば個人の開発環境全体で使い回せます。
保存したワークフローは、引数を取れる独自のスラッシュコマンドに自動変換されます。例えば一度作成したPRレビュー手順は、次回から `/pr-review 5137` のように呼び出すだけで実行可能です。
また、標準で `/deep-research` ワークフローが組み込まれています。調査課題を複数のエージェントに分散して調査させ、各情報源を照合した上で引用付きレポートを作成します。
なぜ重要か
AI開発ツールの焦点が、インラインのコード自動補完からバックグラウンドでの並列エージェント運用へと移行しつつあることを示しています。何百ものイシューの仕分けや全コードベースの脆弱性監査など、人間のエンジニアが数日かけていた作業を数分で片付けられる価値は極めて高いと言えます。
優れているのは、複雑なエージェント連携の敷居を徹底して下げた点です。外部フレームワークを導入したり設定ファイルを手書きしたりすることなく、自然言語の指示からスクリプト生成、スモークテスト、スラッシュコマンド化までを単一ツール内で完結させています。
一方で懸念されるのはトークン消費とコスト管理です。最大1024エージェントを並行して回せば、監視機能があるとはいえ相当な計算リソースを消費します。また、相互検証エージェントを設けているとはいえ、基底モデル自体が持つ盲点に対しては誤認を見逃すリスクも残ります。
それでも、CursorやGitHub Copilotといった競合ツールが単一コンテキストの最適化に注力するなか、バックグラウンドでの大規模並列処理を標準機能として提供した意義は大きく、開発環境の自動化競争を一段階引き上げることになりそうです。
情報源 (1)
- x.ai(新しいタブで開きます)原文x.ai