Grammarlyの無料新機能、タイピング履歴を記録して「AI不使用」を証明可能に
ZDNETはGrammarlyの無料機能「Track Your Work」の使い方を取り上げた。ブラウザ上で新規作成したGoogleドキュメントなどの入力プロセスを自動追跡し、AI生成やコピペでないことを示すレポートを発行できる。誤ったAI判定から身を守りたい物書きにとって実用的な自衛手段となるが、既存の文書には適用できない制限がある。

自分が書いた文章がAI製ではないと証明することは、いまや学生やライターにとって深刻な悩みになっています。完成した原稿をチェックツールに通すと、勝手に高確率でAI判定されてしまうケースが後を絶たないからです。
こうした状況を受け、Grammarlyが新しいアプローチのアプローチを打ち出しました。文章作成履歴を記録して人間が書いたことを証明する新機能「Track Your Work」です。Grammarly Authorshipの一部として提供され、無料アカウントでも利用できます。
執筆プロセスをそのまま記録する仕組み
これまでのAI検知ツールは、出来上がったテキストの統計的な癖を読み取り、AIっぽいかどうかを推測するものが大半でした。しかしGrammarlyは、完成後の判定ではなく、書いている過程そのものを記録する方針をとっています。
対応しているのはブラウザ版のGoogleドキュメントとMicrosoft Wordです。新しく作成した文書の画面左下に指紋のようなアイコンが表示され、そこから機能を有効にできます。
有効にすると、ユーザーがキーボードで手入力したのか、それとも外部からコピー&ペーストしたのかをシステムが裏で自動分類します。
検証記事によると、既存の文章をそのまま貼り付けた場合は即座に100パーセントのコピーと判定されました。一方でそのテキストを消し、手作業で文章を打ち直すと、新規に入力された文章として正しく記録されました。
作成したレポートは共有リンクを発行することが可能です。そのリンクを教師や上司、編集者に送ることで、自分が最初から手で書き上げた証拠として提示できます。
新規作成かつブラウザ版限定という制約
便利な機能ですが、利用にあたっては明確な制限があります。まず、完全に新規作成されたドキュメントでしか有効化できません。
すでに書き進めている途中の文書や、過去に保存したファイルを開いても、この機能をオンにすることはできません。執筆プロセスの最初から記録されていないと証明にならないためです。
また、パソコンにインストールされたローカル版のWordなどのアプリでは動作せず、あくまでウェブブラウザ上でドキュメントを開く必要があります。
なぜ重要か
私たちは、Grammarlyのこのアプローチは非常に合理的だと考えます。既存のAI検出ツールは誤判定が多く、普通に書いた文章がAI製だと疑われる冤罪が世界中で問題になっていました。あやふやな判定アルゴリズムに頼るのではなく、実際の作業ログを提示させる形にしたのは賢明な判断です。
学生やライター、社内文書を作るビジネスパーソンにとって、今すぐ試す価値がある機能です。書き始める前にスイッチを入れておくだけで、あとからAI利用を疑われた際のリスクヘッジになります。
一方で、抜け道がないわけではありません。たとえば別の画面でAIに生成させた文章を目で見て、それを手作業で一文字ずつキーボードで打ち込んだ場合、システムは手入力として認識してしまいます。また、ローカルの執筆アプリに慣れている人にとっては、ウェブブラウザでの作業を強いられる点も使い勝手の面で課題といえます。それでも、不毛なAI疑惑を晴らす現実的な手段として有効な一歩です。
情報源 (1)
- zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com