本文へスキップ
IFAI

AIツール

Google、教育向けWorkspaceを刷新:Geminiを10代生徒へ無償提供

公開 拡散指数 34

Googleは100カ国以上のGoogle Workspace for Educationを利用する10代の生徒向けにGeminiを無償提供すると発表した。学校管理者の承認が必要で、チャット履歴はモデル学習に使われない安全設計。ClassroomでのAI授業準備支援機能も同時に拡充された。

Google、教育向けWorkspaceを刷新:Geminiを10代生徒へ無償提供
画像:blog.google

学校現場が生成AIの不正利用やデータ流出に頭を悩ませる中、Googleは逆に中高生の教室へAIを直接届ける道を選びました。

米国で開催された教育IT展示会「ISTE」において、GoogleはGoogle Workspace for Educationを利用する10代の生徒向けにGeminiを提供すると発表しました。100カ国以上を対象に英語環境から順次展開され、教育機関向けには無償で提供されます。学校側の最大の懸念であるデータ保護についても、生徒との対話データをAIモデルの学習には使用しないと明言しました。

安全第一の導入設計

未成年者へのAI開放には慎重な配慮が求められます。Googleは管理者コンソール上でこの機能をデフォルトで無効化しており、学校側が許可しない限り生徒は利用できません。

利用体験にも独自の制限が組み込まれています。年齢に不適当な有害コンテンツを自動で遮断するほか、生徒が事実に基づく質問を初めて投げかけた際には、回答の裏付けをウェブ上で自動検証するダブルチェック機能が強制的に作動します。さらに、LearnLMを基盤とした「Learning Coach」と呼ばれるカスタム機能も控えており、単に正解を出力するのではなく、対話形式で段階的な学習を促す設計になっています。

授業支援ツール群も全面刷新

単体のチャットボットにとどまらず、教室向けアプリ全体に機能強化が及んでいます。動画作成ツール「Google Vids」は生成AI抜きのバージョンがEducation Plus向けに年内登場し、AI機能を使う場合はGeminiアドオンが必要となります。

読書支援ツール「Read Along」はGoogle Classroomに統合され、800冊以上の教材から難易度別に課題を割り当て、生徒の読書スピードや理解度を追跡できるようになりました。また、教員が生徒のグループ別に異なる課題を配布したり、提出課題のDriveファイルに対する閲覧履歴を確認したりする実用的な管理機能も拡充されています。

なぜ重要か

学校現場にとって、AIの禁止令は実効性を失いつつあります。外部の未管理なAIに頼られる前に、学習データとして吸い上げられない安全な公式ツールを整備できる点は、教育委員会や教員にとって極めて実用的です。

業界全体から見れば、Googleによる将来世代の囲い込み戦略と言えます。北米などの教育市場ではChromebookやGoogleアカウントが圧倒的なシェアを持っていますが、若年層のAIブランド認知ではOpenAIに先行されていました。学校のアカウントを通じて早い段階からGeminiに触れさせることで、将来の利用習慣をGoogle側に引き寄せる狙いが透けて見えます。

巧妙なのは、チャットボットを無償で配りつつ、Google Vidsなどのリッチな生成機能を有料アドオンに切り分けている点です。基本機能をインフラとして定着させた上で、より高度な機能で教育機関の予算を獲得していくという、手堅く現実的なビジネスモデルが展開されています。

情報源 (1)

  1. [1]
    blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google

毎日のAIピックアップ