Googleが動画生成モデル「Veo 2」を発表:4K・長尺生成に対応、Imagen 3も刷新
Googleは新世代の動画生成モデル「Veo 2」を発表しました。最大4K解像度や数分間の長尺生成に対応し、レンズ指定などの映画撮影用語を理解します。あわせてImagen 3の最新版が100カ国以上のImageFXで公開され、Geminiと連携する新ツール「Whisk」も登場しました。Veo 2は現在ウェイトリスト制です。

生成AIによる動画制作において、これまで最大の課題だったのは「数秒しか持たないこと」と「カメラを動かすと人物の手足や背景が崩れること」でした。
Googleはこの課題に挑む新世代動画生成モデル「Veo 2」を発表しました。あわせて画像生成モデル「Imagen 3」の最新版も公開され、両者を組み合わせた新しい実験ツール「Whisk」も登場しています。
人間の評価者によるブラインドテストにおいて、Veo 2とImagen 3はどちらも既存の主要モデルを抑え、最高水準(SOTA)の結果を記録したとされています。
映画用語でカメラを操る動画生成
Veo 2の最も目立つ進化は、最大4Kという高解像度と、数分間にわたる長尺の動画生成に対応した点です。
単に画質が上がっただけでなく、現実世界の物理法則や人体の微細な動き、表情のニュアンスに対する理解が大きく向上しました。従来のAI動画で頻発していた「指が増える」「物体が不自然に溶け出す」といったハルシネーションの発生頻度も大幅に抑えられています。
さらに映画撮影の専門用語を理解できるのが大きな特徴です。プロンプトに「18mmレンズ」と指定すれば超広角特有の画角を再現し、「浅い被写界深度」と入力すれば背景を綺麗にぼかして被写体を際立たせます。
地面スレスレを移動するローアングルのトラッキングショットや、顕微鏡を覗き込む科学者の顔へのクローズアップなど、意図通りのカメラワークを忠実に形にします。生成された映像には、AI製であることを示す不可視の電子透かし「SynthID」が埋め込まれます。
Veo 2は現在、Google Labsの「VideoFX」でウェイトリスト登録を受け付けており、来年にはYouTube Shortsなど他の製品へ展開される予定です。
Imagen 3の進化と、画像で指示する新ツール「Whisk」
同時にアップデートされたImagen 3は、より明るく構図の整った画像を出力できるようになりました。写実的なフォトリアルから印象派、アニメ調まで多彩なスタイルを正確に描き分け、プロンプトへの追従性も向上しています。こちらは100カ国以上の「ImageFX」ですでに利用可能です。
また、米国向けに公開された新実験ツール「Whisk」もユニークな試みです。テキストで呪文のようなプロンプトを入力する代わりに、被写体・背景・スタイルの参考画像をアップロードして新しい画像をリミックスできます。
裏側ではGeminiが画像を読み取って詳細な解説文を自動生成し、それをImagen 3に渡して新しいエナメルピンやぬいぐるみ風の画像を生成します。
なぜ重要か
クリエイターにとって、Veo 2の登場は「運頼みのガチャ」から「意図を持った映像演出」への転換点を意味します。レンズのミリ数やカメラの動きを直接指定できることで、単なるイメージ素材作りを超え、実際の映像制作ワークフローに組み込める現実味が出てきました。
業界全体で見れば、RunwayやPika、OpenAIのSoraなどが競い合う動画生成市場において、Googleは4K対応と数分単位の生成という高いハードルを一気に突きつけました。YouTubeという世界最大の動画プラットフォームを自前で持っている点も、競合にはない強烈なアドバンテージです。
Geminiの視覚理解とImagen 3を連携させたWhiskのアプローチも非常にスマートだと評価できます。一方で、4Kで数分間の動画をレンダリングするための計算コストと待ち時間は極めて重いはずです。Veo 2が一般開放されずウェイトリスト制にとどまっている理由はそこにあり、実用的な速度とコストで誰もが使えるようにできるかが今後の最大の焦点になります。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google
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