Google、責任あるAI開発の共同誓約に署名:電子透かし導入と安全テストを強化
Googleは主要AI企業とともに責任あるAI開発の共同誓約に参加したと発表した。最新の生成モデルに電子透かし技術を統合し、検索機能で画像の出所を確認できるツールを導入するほか、来月のDefConで公開レッドチーム演習を実施する方針を示した。

生成AIが急速に普及するなか、巨大テック企業各社が足並みを揃えて安全策の整備に乗り出しました。
Googleは7月21日、他の主要AI企業とともに責任あるAI開発に関する共通のコミットメントに署名したと発表しました。G7やOECD、各国政府が進めるAIリスク管理の枠組みに足並みを揃える狙いです。
単なる理念の表明にとどまらず、モデルの脆弱性対策やAI生成コンテンツの識別に関する具体的な技術施策も明らかにされています。
来月のDefConでレッドチーム演習、透かし技術も導入へ
Googleはセキュリティ対策として、先日策定した「セキュアAIフレームワーク(SAIF)」の運用を進めています。
自社の脆弱性報奨金プログラムの対象をAI分野に広げ、外部リサーチャーによる脆弱性発見を促す体制を整えました。
さらに来月開催されるセキュリティカンファレンス「DefCon」でレッドチーム演習に参加し、外部の専門家にモデルの弱点を突かせるテストを行う予定です。
誤情報対策としては、最新の生成モデルに電子透かしやメタデータを直接埋め込む技術を近々導入すると表明しました。
またGoogle検索には、画像がウェブ上にいつ最初に登場したかを確認できる「About this image」機能を近く提供するとしています。
医療回答の正答率は90%超、実用化の成果もアピール
Googleは2017年に「AIファースト」を掲げて以来、検索や翻訳、Googleマップなど日常的なサービスにAIを組み込んできました。
社会課題の解決事例として、臨床的な質問に対して90%以上の精度で回答する医療AIや、乳がんのスクリーニング検査、洪水予測などの実績を挙げています。
都市部では信号待ちの停止と発進を減らす交通制御にAIを活用し、排出ガスの削減にもつなげているとのことです。
今後はPartnership on AIの合成メディア作業部会やML Commonsといった外部団体とも連携し、業界標準の確立を目指します。
なぜ重要か
生成AIの普及で最も懸念されているのが、本物と見分けがつかないディープフェイクや偽情報の拡散です。
一般ユーザーにとって、検索上で画像の初出時期を確認できるツールや、AI生成物に透かしを入れる仕組みは、偽情報を見分ける実用的な防壁になります。
今回の動きは、大手テック企業による先手を打った自主規制だと私たちは考えています。
各国政府による厳格な法規制が降りてくる前に、主要プレイヤー同士で透かしや外部テストなどの標準を作ってしまえば、自らに有利なルール形成を主導できます。
同時に、こうした高度な安全テストや監査体制を要求することは、リソースの乏しい新興AI企業に対する参入障壁としても機能します。
ただし、取り組みはあくまで自主的な誓約にすぎず、電子透かしがスクリーンショットや圧縮などの改ざんにどこまで耐えられるかは今後の運用次第です。
情報源 (1)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google
トピックを追うGoogleのAI安全性とウォーターマーク計画
- Google、画像の真偽検証ツールを提供開始 AI生成フラグや初出履歴を確認可能に
- Googleが「SynthID」ベータ版公開:AI生成画像に不可視の透かしを埋め込み
- Google、責任あるAI開発の共同誓約に署名:電子透かし導入と安全テストを強化この記事