Google「Gemini 2.5 Flash-Lite」安定版を一般提供:100万入力0.1ドル
Googleは「Gemini 2.5 Flash-Lite」の安定版を一般公開した。2.5シリーズで最速かつ最も低コストなモデルで、入力100万トークンあたり0.10ドルで利用できる。100万トークンの文脈窓や思考バジェット制御を備え、低遅延と大量処理を両立したい現場の実用に適している。

大量のリクエストをリアルタイムで処理しようとすると、常にレイテンシとクラウド利用料の板挟みになります。
Google は Gemini 2.5 シリーズの中で最も高速かつ最も低コストなモデルである Gemini 2.5 Flash-Lite の安定版(一般提供)をリリースしました。翻訳やデータ分類といった、遅延に敏感でアクセス数の多い本番環境向けのモデルです。
圧倒的な低価格と推論機能の両立
価格設定は入力トークンが 100 万件あたり 0.10 ドル、出力トークンが 0.40 ドルと極めて安価です。さらに、プレビュー版と比べて音声入力の価格が 40 パーセント引き下げられました。
処理速度についても、幅広いプロンプトでのテストにおいて、前世代の 2.0 Flash-Lite や 2.0 Flash よりも低いレイテンシを記録しています。
性能面では、コーディング、数学、科学、推論、マルチモーダル理解の各ベンチマークで 2.0 Flash-Lite を上回っています。軽量モデルでありながらネイティブな思考能力を備えており、思考予算を調整することで複雑なタスクにも柔軟に対応できます。
コンテキストウィンドウは 100 万トークンを維持しており、Google 検索によるグラウンディングやコード実行、URL コンテキストの取得といった標準ツールもそのまま利用可能です。開発者は Google AI Studio や Vertex AI で gemini-2.5-flash-lite を指定して即座に利用でき、プレビュー版のエイリアスは 8 月 25 日に廃止される予定です。
すでに実環境での導入も進んでいます。宇宙コンピューティング基盤を開発する Satlyt は、軌道上のテレメトリ解析に採用し、重要診断のレイテンシを 45 パーセント削減、消費電力を 30 パーセント抑制することに成功しました。HeyGen は 180 以上の言語への動画翻訳に活用し、DocsHound は長尺のデモ動画から数千枚のスクリーンショットを抽出してドキュメントを高速生成しています。
なぜ重要か
フロンティアモデルの性能競争が注目されがちですが、企業が実際にサービスを運用する上で決定打となるのは、1 トークンあたりのコストとレスポンスの速さです。
入力 100 万トークンで 0.10 ドルという価格設定は、これまでコスト面で見送られていた常時監視や大量データ分析のハードルを一気に下げます。さらに、軽量モデルでありながら思考時間をコントロールできるため、単純タスクと少し頭を使う処理を同じモデルで完結させられるのが強みです。
Google は 2.5 Pro や 2.5 Flash に続き、この Flash-Lite で量産体制の布陣を完全に整えたと言えます。最廉価モデルに 100 万トークンのコンテキストと強力なツール連携を標準装備させたことで、競合各社も小型モデルの値下げや機能解放を迫られることになりそうです。
情報源 (1)
- developers.googleblog.com(新しいタブで開きます)原文developers.googleblog.com