グーグルの「AIに堀はない」流出メモは本物、DeepMindトップは反論
Google DeepMindのCEOデミス・ハサビス氏が、同社にAIの優位性(堀)はないとする流出メモが本物であることを認めました。ただしオープンソースが台頭して大手を凌駕するという結論には同意せず、統合チームが今後もブレイクスルーを起こすと自信を見せています。

数か月前、GoogleにはAIにおける「堀(参入障壁)」が存在しないと主張する内部メモが流出し、大きな話題を呼びました。今回、そのメモが本物であったことを同社のAIトップが認めました。
メディアのインタビューに応じたGoogle DeepMindのCEOであるDemis Hassabis氏は、メモ自体は本物であるとしつつも、その結論には同意しないと反論しています。
流出メモの存在を認めるも、結論は否定
Hassabis氏によると、Googleのエンジニアは日常的にさまざまな社内文書を執筆しており、時にはそれが外部に漏れて拡散してしまうことがあるといいます。
同氏は該当するメモの詳細までは読み込んでいないとしつつも、そこに書かれた結論には明確に異議を唱えました。オープンソースAIがGoogleを追い抜くとは信じていない姿勢を示しています。
問題のメモは、調査会社SemiAnalysisがDiscordサーバーから入手して公開したものでした。そこにはGoogleもOpenAIも業界での堀を持っておらず、オープンソースコミュニティという第三の勢力が密かに彼らの市場を侵食していると生々しく記されていました。
メモの執筆者は、オープンソースモデルの方が動作が速く、カスタマイズが容易で、プライバシーに優れ、全体的な能力も極めて高いと評価していました。
統合チームと過去の実績に自信
一方でHassabis氏は、社内研究者たちの競争心がGoogleを常にAIの最前線へと押し上げると確信しています。
特に、自身が率いることになったGoogle BrainとGoogle DeepMindの統合チームが、今後さらなる技術革新を生み出すと強調しました。
過去にGoogleとDeepMindが生み出してきた技術的ブレイクスルーの歴史を振り返り、同氏は今後10年間も過去と同様に決定的なイノベーションを起こし続けるのは自分たちだと自信を覗かせています。
なぜ重要か
社内から漏れた辛辣な分析をトップが公式に認めたことは、巨大IT企業が直面している競争の激しさを浮き彫りにしています。
開発者や企業ユーザーにとって、オープンソースAIの台頭は大きな恩恵です。自前の環境にモデルを構築できれば、データ漏洩の懸念がなくなり、大手ベンダーの仕様変更や価格改定に振り回されるリスクも減らせます。
業界全体で見れば、オープンソースの猛追はプロプライエタリなモデルを提供する大手に、単なる規模以上の付加価値を示すよう迫っています。わずか数週間で同等機能がコミュニティから公開される現状では、巨額の開発費を回収するビジネスモデル自体が試されています。
Hassabis氏の強気な態度は基礎研究力への誇りを感じさせますが、世界中の開発者が知恵を絞る分散型の進化スピードに対抗しきれるかはまだ不透明です。巨大資本によるフロンティアモデルと柔軟なオープンソースの主導権争いは、これから本格化しそうです。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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