Google、検索の「AI Overviews」に広告を導入へ
Googleはモバイル検索の「AI Overviews」概要欄内にスポンサー広告を表示すると発表しました。同時に、米国でGeminiを活用したAI整理型検索結果ページも展開します。Perplexityなどの台頭に対抗しつつ、AI検索の収益化を急ぐ狙いがあります。

Googleで何かを検索したとき、青いリンクのリストを見る時代は終わりつつあります。要約を提示してくれるようになったAIが、今度はその枠の中に広告のチラシを挟み込んできました。
Googleは検索結果のAI要約機能「AI Overviews」内に広告の表示を開始すると発表しました。あわせて米国では、モバイル向けに検索結果全体をAIが再構成する新ページの提供も始まります。
背景にあるのは、OpenAIのChatGPTやPerplexityといったAI検索サービスの台頭です。Perplexityが5月に公表した月間訪問数は8,500万件を超えており、世界シェア81%以上を握るGoogleから見れば小さな数字とはいえ、無視できない勢いで追り上げています。
要約の中にスポンサー枠を直接配置
今回の広告導入は、まず米国のモバイルユーザー向けに始まります。例えば「ジーンズの草のシミを落とす方法」と検索すると、AIによる解説文とともに「スポンサー」ラベルが付いた洗剤などの広告が表示されます。
広告主が特別な設定をする必要はなく、既存のGoogleショッピングや検索連動型広告のキャンペーンから自動で配信されます。中にはカルーセル形式で商品画像が並ぶレイアウトもあり、スポンサー以外の情報が画面下部に押し出されるケースも見られます。
Google Ads担当副社長のShashi Thakur氏は、ユーザーが求めている瞬間に適切な商品へアクセスできるため好評だと説明しています。また、AI Overviews内のリンク表示デザインも刷新され、米国や日本、英国、ブラジルなどで順次反映されています。
Geminiが丸ごと編集する検索結果ページ
もうひとつの大きな変化が、カスタマイズされたGeminiモデルが生成する「AIオーガナイズド検索結果ページ」です。今週から米国のモバイル版で、料理のレシピや献立のアイデア検索を皮切りに導入されました。
従来のWebサイト一覧ではなく、掲示板の投稿、解説記事、YouTube動画などをAIがテーマ別に整理して1枚のページにまとめ上げます。Googleで検索UX担当副社長を務めるRhiannon Bell氏は、多様なコンテンツを提示できると話しており、今後数か月で他のカテゴリにも広げる予定です。
一方、メディアやWebサイト運営者の危機感は募っています。ある調査では、AI Overviewsの普及によりWebメディアへの流入が約25%減少する可能性が指摘されており、ニューヨーク・ポストが報じた試算では広告収入の損失が20億ドルを超える恐れもあります。大手パブリッシャーの直近の決算では影響は軽微とされていますが、7月時点でAI Overviewsの表示率は全検索の約7%にとどまっていました。今後露出が増えれば、打撃が表面化するのは避けられそうにありません。
なぜ重要か
私たちは、GoogleがAI要約の収益化に踏み切ったこと自体は順当な一手と見ていますが、ユーザーとメディアの双方にとって懸念が残る展開だと考えています。
一般ユーザーにとって、AIが素早く答えを出してくれる利便性は魅力でした。しかし、回答と広告枠の境界があいまいなまま商品を並べられると、「役に立つ助言」なのか「買わせたい広告」なのかを見分けるストレスが生じます。
Webエコシステム全体への影響も深刻です。Googleは世界中のサイトから情報を集めてAIに要約させ、ユーザーを自社の検索結果画面に留まらせた上で、その場所で自社の広告収益を上げています。コンテンツを提供しているメディアへの還元が細る中で、このモデルが持続可能なのかどうか、プラットフォーマーとしての姿勢が問われることになりそうです。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com