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米政府監査院、政府機関のAI導入急加速に警鐘 調達・管理基準の策定は数年遅れ

公開 拡散指数 39

米政府監査院(GAO)は連邦政府機関のAI利用に関する調査報告書を公表した。200件以上の業務でAIが活用され500件以上が計画中である一方、調达や管理の統一指針は数年遅れていると指摘。顔認証などの機密領域で基準が曖昧なまま導入が進み、安全保障やプライバシー侵害への懸念が高まっている。

米政府監査院、政府機関のAI導入急加速に警鐘 調達・管理基準の策定は数年遅れ
画像:cnn.com

民間企業に対して厳しいAI規制や透明性を求める米政府が、自らの足元では無秩序にAIの導入を進めていた実態が浮き彫りになりました。

米政府説明責任局(GAO)は、司法省や国土安全保障省を含む非軍事の主要23機関を対象とした96ページに及ぶ調査報告書を公表しました。連邦機関が民間からAI技術を調達し安全に運用するための共通基準策定において、政府全体が何年も遅れをとっていると厳しく警告しています。

進む導入と、黒塗りにされた350以上の用途

報告書によると、米連邦政府は現在228件のAIシステムを実戦投入しており、そのほぼ半数はここ1年以内に稼働を開始したものです。計画中の案件を含めると、合計1241件に達します。

用途の約7割は科学研究や日常的な内部業務です。NASAは世界中の火山活動の監視にAIを用い、商務省は山火事の追跡やドローン写真から海鳥やアザラシを自動カウントする用途に活用しています。

一方で深刻な懸念を呼んでいるのが、不透明な秘密運用の多さです。報告された1241件のうち、詳細が公表されたのは約7割に過ぎず、残る350件以上のシステムは「機密性が高い」として開示が拒否されました。国務省に至っては、申告した71件の用途のうち公開に応じたのはわずか10件でした。

司法省と国土安全保障省が挙げた用途は計25件と件数自体は少ないものの、顔認証や国境地帯のレーダー監視など、プライバシーや人権に直結する分野に集中しています。GAOの過去の調査では、2019年から2022年にかけて6つの連邦法執行機関が実施した数千件の顔認証検索のうち、実に95%が適切な訓練を受けていない職員によって行われていたことが判明しています。

ルール策定は2年遅延、人材計画も白紙

現場で導入が暴走する一方で、統括部門の機能不全も浮き彫りになりました。2020年の連邦法により、行政管理予算局(OMB)は2021年9月までにAI調達に関する政府横断ガイドラインを提示する義務がありましたが、これを2年以上放置。バイデン大統領のAI大統領令を受けてようやく先月ドラフトを公表したばかりです。

人事管理庁(OPM)も今後5年間で必要となるAI関連人材の需要予測を期限内に提出できず、財務省や教育省を含む10の機関ではAI導入リストを更新する基本的な計画すら整っていません。

なぜ重要か

米政府の言動不一致が数字で裏付けられた格好です。ホワイトハウスは大手AI企業に対して厳格な安全性テストの開示を義務付け、国際社会でもAIガバナンスの主導権を握ろうとしていますが、自国の法執行機関が未成熟な運用基準で監視技術を使っているようでは説得力を欠きます。

公共セクター向けのテクノロジー市場にも波乱要因となります。政府のAI調達意欲は極めて旺盛ですが、調達・運用の統括基準が曖昧なままでは、誤認逮捕やバイアス被害といった不祥事が起きた際に予算凍結や急な規制強化を招きかねません。公共案件を狙うテック企業にとっても、透明性と監査への耐性がこれまで以上に厳しく問われる局面に入ったと言えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    cnn.com(新しいタブで開きます)原文cnn.com

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