Factoryが5000万ドル調達:自律開発エージェント「Droids」を正式提供
FactoryはシリーズBで5000万ドルを調達し、ソフトウェア開発自律エージェント「Droids」を正式リリースしたと発表した。開発ベンチマークのTerminal Benchで首位を獲得しており、特定IDEに依存せず端末やSlackからコード修正やレビューを自動処理できる。

多くのAIコーディングツールが独自のエディタへ開発者を囲い込もうとするなか、既存の開発環境を一切変えさせないアプローチをとる企業が登場しました。
ソフトウェア開発向けAIエージェントを手がける米スタートアップのFactoryは、5000万ドルのシリーズB資金調達を完了し、自律型開発エージェント「Droids」を正式リリースしました。投資ラウンドにはSequoia Capital、NEA、Nvidia、J.P. Morganが参加し、Frank Slootman氏やAaron Levie氏などの著名経営者もエンジェル投資家として名を連ねています。
同社によると、DroidsはCursorやClaude Codeの評価でも用いられる業界ベンチマーク「Terminal Bench」において首位を獲得したといいます。
ツールを乗り換えずに使える自律エージェント
2023年創業のFactoryは、開発プロセス全体をAIエージェントが自律的に担う「エージェントネイティブ」な開発基盤を提唱しています。
最大の特徴は、モデルやインターフェースに依存しない柔軟さです。新しいIDEに乗り換える必要はなく、エンジニアは普段使っているターミナル(CLI)をはじめ、既存のIDE、Slack、Linear、ブラウザ、あるいは独自のスクリプトからDroidsを呼び出すことができます。
単なるコード補全にとどまらず、複雑なタスクをこなすために、Droidsは組織のコンテキストを幅広く取り込みます。GitHub、Jira、Slack、Datadog、Google Driveなどと連携し、熟練エンジニアのようにコードベースの全体像を理解した上で作業を進めます。
対応業務は新機能の実装からリファクタリング、コードレビュー、ドキュメント生成、さらには障害対応やコードベースに対する質疑応答まで多岐にわたります。
すでにNvidia、MongoDB、Zapier、Bayer、Ernst & Youngといった大手企業が導入しています。Factoryの発表によると、導入企業では機能リリースのスピードが最大31倍になり、移行作業やオンコール対応の所要時間が96%削減されたとのことです。
なぜ重要か
現場のエンジニアにとって、開発環境や使い慣れたツールを捨てずに導入できる点は極めて現実的な利点です。専用IDEへの乗り換えはチーム全体の負担が大きいですが、DroidsならターミナルやSlack経由ですぐに作業を任せられます。反復的なリファクタリングやオンコール対応に追われているチームなら、検証してみる価値は十分にあります。
業界全体で見れば、AIプログラミングの主戦場が「一行ずつのコード生成」から「課題全体の自律処理」へと完全にシフトしたことを示しています。特定のLLMに縛られず、あらゆるモデルを切り替えて使える設計にした点も、技術の陳腐化を恐れるエンタープライズ企業にとって安心材料になります。
既存のワークフローを壊さない戦略は非常に賢明ですが、社内のSlackやJiraといったノイズの多い情報源を読み込ませた際に、どれだけ誤認識を防げるかが今後の課題となるでしょう。公称されている31倍の生産性向上が、複雑なレガシー環境でも再現できるのか注目されます。
情報源 (1)
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)原文siliconangle.com