Existsが生成AIプラットフォーム発表:テキスト入力だけで3Dゲームを数分で作成
AIスタートアップのExistsは、プログラミング不要でテキスト指示から数分で3Dゲームを構築できる生成AIプラットフォームを発表した。独自モデルとゲームエンジンを統合し、背景やキャラ、マルチプレイ機能まで自動生成する。現在はクローズドベータの登録受付中。

頭の中にあるゲームのアイデアを形にしようとすると、これまではゲームエンジンの操作や3Dモデリング、プログラミングの学習に何ヶ月も費やすのが当たり前でした。そうした開発のハードルを根本から変えようとする動きが出てきています。
AIスタートアップのExistsは、テキストプロンプトを入力するだけで高品質な3Dゲームを数分で自動生成できる生成AIプラットフォームを発表しました。コードを書く知識は一切不要です。
テキスト入力からマルチプレイ対応の3Dゲームへ
Existsのプラットフォームはすべてクラウド上で動作します。ユーザーが作りたいゲームの概要をテキストで指示すると、AIが背景環境やキャラクター、操作ルールやゲームシステムまで自動で構築します。
同社のCEOを務めるYotam Hechtlinger氏は、カーネギーメロン大学で機械学習と統計学の博士号を取得した研究者です。彼らによると、独自開発のニューラルネットワーク構造によって生成AIの表現力と最新ゲームエンジンの描画・処理性能を統合しているといいます。
3Dシューティングや見下ろし型のアクションなどに対応しており、生成されたゲームは最初からマルチプレイヤープレイに対応している点も特徴です。直感的なドラッグ&ドロップ画面を使って、設定やキャラクター、演出を細かくカスタマイズすることも可能です。
同社はドイツのケルンで開催されたGamescom 2024に出展し、実機デモを披露しました。現在はクローズドベータ段階で、先行アクセスの登録を受け付けています。なお、類似のテキスト発ゲーム生成領域ではBitmagicなどの競合も存在します。
個人向けにとどまらず、ゲーム会社のUGC基盤も狙う
Existsの展開で注目すべきなのは、個人向けの独立した制作ツールだけで終わらせようとしていない点です。
同社は既存のゲームを抱える大手ゲーム開発スタジオとも提携を進めています。すでにリリースされているタイトル向けに、ユーザー生成コンテンツ(UGC)やMod制作のための基盤としてExistsの技術を組み込む計画です。
これによってゲームコミュニティのプレイヤーは、専門的な改造ツールを扱えなくても、テキストによる指示だけで新しいマップや独自ルールを追加できるようになります。
なぜ重要か
画像、音声、動画に続いて、生成AIの波はいよいよ最もインタラクティブ性が高く複雑な3Dゲームの領域に本格的に踏み込んできました。
インディー開発者やクリエイターにとって、ゲームのアイデア検証にかかる時間を数ヶ月から数分へと短縮できる価値は大きいです。プログラマーやデザイナーを雇う前に、頭の中の企画が本当に面白いかをその場でマルチプレイで確認できるのは画期的と言えます。ただし、手触り感や細かなバランス調整がどの程度実用に耐えるかは、ベータ版を触りながら見極める必要があります。
同社の戦略として賢いと感じられるのは、ゲームスタジオ向けのMod基盤というB2Bの出口を最初から用意している点です。Robloxのような巨大なプラットフォームとゼロからユーザー獲得で競い合うのは極めて困難ですが、すでにファンがいるタイトルの拡張機能として入り込めば、コミュニティ活性化という明確な需要を掴めます。
一方で、3D空間における当たり判定の破綻やゲームルールの整合性、著作権の扱いなど、生成AI特有の課題をどこまでゲームエンジン側と擦り合わせられるかが今後の普及を左右しそうです。
情報源 (1)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com