ExistsがAIによる3D世界生成プラットフォームを一般公開、Unreal Engineで遊べる空間を即座に構築
Existsはテキストプロンプトからインタラクティブな3D空間を即時生成するプラットフォームを一般公開した。動画拡散モデルではなくクラウド上のUnreal Engine上で動作するため、マルチプレイやAIボット、照明が最初から機能するプレイ可能な世界を誰でも作れる。
これまで登場したAIによる仮想空間生成ツールは、後処理が必要な静的3Dメッシュを出力するか、触れることのできない動画拡散モデルの映像を見せるかのどちらかに偏っていました。
イスラエル・テルアビブを拠点とするスタートアップのExistsは、この課題に対して別のアプローチを提示しました。同社は本日、テキストプロンプトからインタラクティブな3D空間を即座に生成できるプラットフォームを一般公開しました。
ユーザーはプロンプトを入力するだけで、ツールやコード、専門的な知識を一切使わずに、その場で探索可能な本格的3Dワールドを生成できます。
数カ月間にわたる先行アクセス期間中には数千人のテスターが参加し、すでに数千種類ものプレイ可能な空間が生み出されていました。
アンリアルエンジン上で直接動く新世代ワールドモデル
Existsの最大の特徴は、独自のワールドモデルがゲームエンジンの内部で生成プロセスを学習している点にあります。
一般的なリアルタイム動画生成モデルとは異なり、同社の基盤はクラウド上で稼働するカスタマイズ版Unreal Engineです。
そのため、生成された空間は見た目が整っているだけでなく、マルチプレイヤー接続、高度なライティング、自律動作するAIボットなどの実機能が最初から組み込まれています。
カーネギーメロン大学でAIの博士号を取得したヨータム・ヘヒトリンガーCEOは、ゲームエンジンそのものをAIの知能ループに組み込むことが重要だと述べています。シーンの外見だけでなく、ゲームとしてどう機能すべきかをモデルが理解しているのが強みです。
現在5人の専任チームに加え、これまで約20人のコントリビューターが開発に携わってきました。
ゲームロジック生成から映像制作まで
空間の作成にとどまらず、ExistsはUnreal Engine向けのリアルタイムコード生成機能の開発も進めています。
この機能が実装されれば、自然言語の指示だけでゲームのルール、ロジック、オブジェクトの挙動までを直接構築できるようになります。
また、生成したワールドからスタイライズされた映像やシネマティックなカメラワークを即座に書き出す機能も備えています。
これにより、従来の3D制作ツールを習得することなく、ストーリーテラーや映像作家が直感的にプロトタイピングを行える環境が整いました。
なぜ重要か
一般ユーザーや教育関係者にとって、Existsはインタラクティブ3Dコンテンツの制作ハードルを劇的に下げるツールとなります。ライティングや衝突判定、ネットワーク同期を手動で設定することなく、数行のプロンプトだけで探索可能な空間が手に入るため、アイデアの検証や演出確認用として今すぐ試す価値があります。
業界全体に対する影響として、SoraやGenieに代表される純粋な動画拡散系ワールドモデルとは異なる現実解を提示した点が挙げられます。物理法則をゼロからニューラルネットワークに学習させる手法は膨大な計算資源を消費し、挙動の破綻も避けられません。Existsのように、実績あるゲームエンジンの物理や描画エンジンを土台にし、AIをその操作役に据えたアプローチは非常に合理的だと考えられます。
一方で課題も明白です。クラウド上でUnreal Engineの個別インスタンスを常時稼働させる構成は、サーバー費用とストリーミング帯域の負担が極めて重くなります。一般公開に伴いユーザー数が急増する中で、このインフラコストを維持できるビジネスモデルを確立できるかが今後の大きな焦点となります。
情報源 (1)
- gamesbeat.com(新しいタブで開きます)原文gamesbeat.com