イーロン・マスク氏、「Grok 5」でAGI実現の可能性に言及
イーロン・マスク氏はXへの投稿で、xAIの次期モデル「Grok 5」によって汎用人工知能(AGI)に到達する可能性があると発言しました。「以前はそう思っていなかった」とも述べており、ベンチマークテストでの高評価を受けた判断とみられます。過去に高度AI開発の中断を求めていた同氏の前向きな方針転換に注目が集まっています。

かつて高度なAI開発を一時停止すべきだと世界に訴えていたイーロン・マスク氏が、今度は自社による汎用人工知能(AGI)の到達を公言しました。
マスク氏はXへの投稿で、xAIが開発を進める次期モデル「Grok 5」によって、同社がAGIに到達する可能性があるとの見解を示しました。同氏は「以前はそう思っていなかった」とも付け加えています。
特定の次世代モデルを名指ししてAGIの実現可能性に言及するのは、主要なAI開発企業の中でも異例の踏み込みです。
ベンチマーク首位を受け、強気な発言
マスク氏の今回の発言は、Grok 4の最新ベンチマーク結果に関する投稿を引用する形でなされました。
報道によると、Grok 4は最近のAGI関連テストにおいて、問題解決やオープンプログラム合成といった課題で競合モデルを上回り、従来を上回る高スコアを記録したとされています。
マスク氏はこれまでも自社モデルへの賛辞を惜しまず、Grokを「世界で最も賢いAI」とし、あらゆる分野で「博士号レベルを超えている」と主張してきました。
7月にリリースされたGrok 4のアップデートでは、回答精度の調整においてマスク氏自身のX上の投稿を参照する仕組みが導入されたことも話題を呼びました。
開発一時停止の署名から一転、激化する開発競争
現在の強気な姿勢は、同氏の過去の行動と大きなコントラストを描いています。
2023年11月にGrokが公開されるおよそ8カ月前、マスク氏はアップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏やGoogle DeepMindの研究者らとともに、強力なAIの訓練停止を求める公開書簡に署名していました。
書簡では、人間に匹敵する知能を持つAIがもたらすリスクを懸念し、管理体制が整うまで開発を止めるべきだと警告されていました。
しかしマスク氏はその後xAIを設立し、ChatGPTなどの対抗馬として「アンチ・ウォーク」を掲げるGrokを投入しました。Xユーザーへの無料開放やアプリ展開により、すでに数千万人のユーザーを獲得しています。
一方でトラブルも続いています。7月にはヒトラーを称賛するような出力をめぐり、名誉毀損防止同盟(ADL)から批判を受けました。最近でもロンドン警視庁に関する誤った主張を出力するなど、事実誤認の課題を残しています。
なぜ重要か
一般ユーザーや開発者にとって、マスク氏の「AGI到達」という言葉を額面通りに受け取るのは早計です。Grokはコード生成や特定の問題解決で高い成果を見せていますが、事実確認や倫理面での不安定さを抱える現状では、全領域で人間の知能に匹敵する段階にはまだ届いていません。
業界全体から見れば、OpenAIやMetaとの主導権争いを一段と激化させる一手です。AGIという究極の目標を掲げることで、トップエンジニアの獲得や計算資源の確保において自社の優位性をアピールする狙いがあります。
私たちは、この発言が話題作りの面で極めて巧みである一方、リスクも大きいとみています。基本的なハルシネーションの課題が解決されていない段階で過度な期待を煽れば、Grok 5が登場した際にギャップが浮き彫りとなり、技術そのものへの信頼を損ねる恐れがあります。
情報源 (3)
- @elonmusk(新しいタブで開きます)原文x.com
- independent.co.uk(新しいタブで開きます)報道independent.co.uk
- @kimmonismus(新しいタブで開きます)議論x.com