ElevenLabsが「Avatars」公開、台本からリップシンク動画をワンストップ生成
ElevenLabs は ElevenCreative で新機能「Avatars」を発表した。音声合成とリップシンク動画生成を同一画面に統合し、画像やプロンプトから同一の人物性を保ったまま動画を制作できる。現在すべての有料プランで利用可能だ。
AIで「喋る動画」を作ろうとすると、これまでは地味に面倒な手順を踏む必要がありました。ElevenLabsで音声を生成して書き出し、別の動画生成ツールを開いてアバターを選び、口パクを合わせてレンダリングする。原稿を1文字直すだけでも、この往復作業をやり直す羽目になります。
ElevenLabsは6月11日、この手間を解消する新機能「Avatars」を制作スイート「ElevenCreative」内で公開しました。同社の高品質な音声合成モデルとリップシンク技術を1つの画面に統合し、原稿の入力から完成動画の出力までを一気通貫で完結できるようにしています。
音声と顔を同じ画面で同時に作る
これまでElevenCreative内でリップシンク動画を作るには、動画タブからモデルを選び、リップシンク提供元を絞り込んで音声を渡す必要がありました。
新設された「Avatars」タブでは、アバターを選んで原稿を書き、声を選んで生成ボタンを押すだけです。テキスト読み上げ機能が入力欄に直接組み込まれているため、外部ファイルを経由せずに音声と動画が同じ環境で生成されます。ElevenLabsによると、音声基盤を自社で持っているため、外部音声を取り込む従来の手法よりも口の動きの同期精度が高いとしています。
特徴的なのは、アバターの見た目を「固定」できる点です。実物の写真やイラスト、動物の画像、あるいはプロンプトのテキストからベースとなる同一のキャラクターを作成できます。カメラのアングルや服装、背景を変えても同じ顔立ちを維持したまま、複数の動画で使い回すことが可能です。
自動化ノードで大量バッチ生成も可能に
さらに、ワークフロー自動化ツール「Flows」に「Avatar」ノードが追加されました。
製品概要を投入するだけで、スクリプトの作成、各言語での音声収録、アバター動画の出力をパイプラインとして自動化できます。複数の広告バリエーションを一括生成したいマーケティング担当者や、同じ講師キャラクターで多言語の講義動画を量産したい教育系コンテンツ制作者に向けた設計です。
本機能は有料プランを契約しているすべてのユーザーに即日提供されており、すぐに使える公式のアバターライブラリも用意されています。
なぜ重要か
これまでHeyGenなどのアバター生成サービスは、ElevenLabsのAPIを使って音声をあてることが一般的でした。その音声の覇者であるElevenLabs自身がアバター領域に本格参入したことで、競合サービスにとっては大きな脅威になります。
ユーザーにとっても、音声と動画を行き来するツール間移動が不要になり、制作コストと時間が大幅に削られます。特に越境ECやグローバル向けの広告クリエイティブを展開しているチームなら、同じキャラクターのまま多言語で何十パターンもの動画を安価にテストできる価値は非常に高いと言えます。
一方で注意したいのは、現時点の機能があくまで「バストアップのトーキングヘッド(喋る頭部)」に特化している点です。服装や画角の変更には対応しているものの、全身のダイナミックなアクションや複雑な手元の動きを伴う動画をこれだけで作るのはまだ厳しいと見られます。それでも、短尺広告やサービス解説動画などの用途であれば、今すぐ試す価値が十分にあります。
情報源 (1)
- elevenlabs.io(新しいタブで開きます)原文elevenlabs.io