D-IDとElevenLabsが提携、AI動画生成に高品質な音声合成を統合
D-IDとElevenLabsは提携を発表し、D-IDの動画生成スタジオ「Creative Reality studio」にElevenLabsの高品質音声を導入した。Proプランの利用者はアバター動画の作成時に9種類の厳選音声と4種類の表情表現を一括で指定でき、より自然な発話動画を簡単に作れる。

AIアバターの動画で最も違和感を生みやすいのは声です。顔の動きがどれほど自然でも、話し始めた瞬間に無機質な機械音声だと、視聴者は一気に冷めてしまいます。
ジェネレーティブAI動画を手がけるD-IDと、音声技術のElevenLabsが業務提携を発表しました。D-IDの「Creative Reality studio」にElevenLabsの音声が直接組み込まれます。
これにより、ElevenLabsで音声を書き出してD-IDにアップロードするという二度手間が不要になります。
アバターの表情と感情豊かな音声が直結
今回の機能はD-IDのProプラン登録者向けに提供されます。アップロードした画像や生成したAIアバターに対し、ワンクリックでElevenLabsの高品質な合成音声を付与できます。
スタジオにはElevenLabsのプレミアムボイスが9種類追加されました。抑揚や強調、感情の表現力が従来の音声合成よりも大幅に向上しています。
D-IDは最近、スタジオの刷新に合わせてアバターに「真剣」「幸福」「驚き」「ニュートラル」という4つの表情をつける機能を導入していました。
表情の制御と表現力のある音声が合わさることで、デジタルヒューマン特有の不気味さやぎこちなさが大きく和らぎます。
進む生成AIツールの統合
これまでも数十万人規模のユーザーが、両社のツールを組み合わせて動画を制作していました。今回の提携は、その作業手順を公式に一本化した形です。
D-IDの共同創業者兼CEOのGil Perry氏によると、同スタジオの会員は平均2秒に1人のペースで増えており、累計動画生成数は1億5000万本を超えています。
同社は119言語のナレーションに対応し、CanvaやMicrosoft PowerPoint向けのアドオンも展開するなど、業務ツールとの連携を強めてきました。
ポーランド出身の創業者が粗悪な吹き替え映画への不満から立ち上げたElevenLabsも、テキスト音声合成の標準基盤として存在感を強めています。
なぜ重要か
私たちは、この提携が中小のクリエイターやマーケティング担当者の作業効率を一段階引き上げると考えています。
社内研修動画や商品プロモーションを日常的に作っているなら、ツール間の行き来が消える恩恵は非常に大きく、Proプランなら今すぐ試す価値があります。
業界全体から見ると、単機能のAIツール同士が手を組み、実用的なワークフローを囲い込み始めた好例と言えます。
音声と動画生成を自前でゼロから作り直すのではなく、互いの強みをAPIで接続する手法は極めて賢明であり、後発の単機能ツールに対する参入障壁になります。
一方で、高品質な表情とリアルな合成音声が手軽に作れるようになったことで、なりすましやディープフェイク動画の悪用リスクも確実に高まります。制作ハードルが下がるにつれ、両社にはより厳格な利用規約と安全対策の運用が求められることになります。
情報源 (1)
- elevenlabs.io(新しいタブで開きます)原文elevenlabs.io