DeepSeek、新モデル「V3.1」公開:思考モードと通常応答を1基で両立
DeepSeek はHugging Face 上で総パラメータ 671B の新オープンモデル「DeepSeek-V3.1」を公開した。プロンプトのテンプレート変更だけで思考モードと非思考モードを切り替え可能。ツール呼び出しやエージェント性能が強化され、R1 相当の品質をより高速に応答できる。

DeepSeek-V3.1 は、思考推論と通常の高速応答を1つのモデルでこなすオープンソースのハイブリッド大規模言語モデルだ。総パラメータ数は 671B、アクティブパラメータは 37B で、128K のコンテキスト長に対応する。モデル重みはすでに Hugging Face と ModelScope で公開されている。
何ができるのか
これまでのように推論特化型と通常会話型を別々にホストする必要はない。DeepSeek-V3.1 はプロンプトのチャットテンプレートを書き換えるだけで、思考モードと非思考モードを自在に切り替えられる。
思考モードにおける回答品質は、実績のある DeepSeek-R1-0528 に匹敵しながら、より高速に応答を返す。
エージェント機能とツール呼び出し性能も大きく引き上げられた。SWE や Terminal-Bench といったベンチマークで高いスコアを記録し、複雑なマルチステップ検索や端末操作を安定してこなす。
API では、通常応答の deepseek-chat と思考用の deepseek-reasoner の双方が 128K コンテキストに対応した。さらに Anthropic API 形式の互換サポートや、ベータ版での厳格な関数呼び出し(Strict Function Calling)も提供される。
仕組みと動かし方
この柔軟な挙動は、ポストトレーニングと2段階のコンテキスト拡張によって実現されている。ベースモデルの段階で 840B トークンを追加事前学習した。
32K 拡張フェーズは従来の10倍となる 630B トークンまで増やし、128K 拡張フェーズも 3.3 倍の 209B トークンに拡大された。また、モデルの重みと活性化にはマイクロスケール対応の UE8M0 FP8 データ形式が採用されている。
ローカル環境で動かす場合、Transformers、vLLM、SGLang の公式実行手順が整っている。vLLM であれば pip インストール後にコマンド1行で OpenAI 互換サーバーを起動可能だ。
ただし 671B の MoE 構成であるため、アクティブが 37B とはいえ実運用にはエンタープライズ向けの複数 GPU が欠かせない。手軽に試すなら chat.deepseek.com のウェブ版で「DeepThink」ボタンを押すのが一番早い。なお、現在の API 価格とオフピーク割引は 2025 年 9 月 5 日 16:00 UTC まで継続される。
なぜ重要か
じっくり考える推論と素早いチャットを同一のモデル重みに統合したことで、開発側のインフラ管理コストは劇的に下がる。用途に合わせてテンプレートを変えるだけで済むのは現場にとって非常に合理的だ。
ツール呼び出しの強化に加え、Anthropic 形式への対応によって既存エージェントからの移行も容易になった。個人マシンでローカル実行するには敷居が高いものの、API や自社サーバーで本格運用する基盤として、オープンソース界屈指の有力な選択肢が登場したと言える。
情報源 (3)
- @deepsseek(新しいタブで開きます)原文x.com
- huggingface.co(新しいタブで開きます)報道huggingface.co
- deepseek.com(新しいタブで開きます)報道deepseek.com