DeepSeekが改良版「DeepSeek-V3」を公開、MITライセンスへ移行
DeepSeekは大規模言語モデル「DeepSeek-V3」の改良版を公開し、ライセンスを商用利用しやすいMITライセンスへ変更しました。独自ベンチマークではプログラミング精度が向上しており、4ビット量子化によりMac Studio上で約20トークン/秒の動作も確認されています。

DeepSeekは、オープンソースの大規模言語モデル「DeepSeek-V3」の改良版を公開しました。総パラメータ数6710億のうち約370億パラメータのみをアクティブにして動作するモデルで、一般的なテキスト処理に加えてコード生成や数学の計算に対応します。
今回の最大の変更点はライセンスです。DeepSeekはこれまでの独自ライセンスを廃止し、広く使われているMITライセンスに切り替えました。開発者や企業は、商用プロジェクトでの利用や改変をほぼ無制限に行えるようになります。
コード生成精度の向上とR1のノウハウ
今回の更新は公式発表なしで静かに行われ、ソフトウェア開発者のSimon Willison氏がいち早く報告しました。公開直後はリポジトリのReadmeファイルも空のままでした。
VentureBeatが取り上げたX上の検証データによると、PythonやBashのコード生成テストにおいて新バージョンのスコアは約60%に達し、従来のDeepSeek-V3から数ポイント改善しています。
この性能向上は、同社の推論モデル「DeepSeek-R1」の生成データを活用した事後学習によるものです。ただし、純粋な推論タスクでは依然としてDeepSeek-R1やQwen-32Bなどの推論特化型モデルには及ばず、あくまで汎用基幹モデルとしての位置づけにとどまります。
ハードウェア要件とMac Studioでの動作検証
全パラメータを常時稼働させる従来型モデルと異なり、DeepSeek-V3は推論時に一部のパラメータのみを使うため、計算コストとインフラ要件を大幅に抑えられます。
米Appleの機械学習研究グループに所属するAwni Hannun氏は、9499ドルのハイエンド構成のMac Studioを用いてローカルでの動作検証を行いました。
4ビット量子化を適用することで、この巨大モデルをMac Studio上で動かし、毎秒約20トークンの生成速度を記録しています。量子化によりわずかに精度は落ちるものの、単体のワークステーションで実用的な速度を出せる点が実証されました。
なぜ重要か
今回の更新で最も評価すべきは、ベンチマークの伸びよりもMITライセンスへの完全移行です。独自のオープンソースライセンスに慎重だった企業の法務リスクが解消され、自社プロダクトの基盤として組み込みやすくなりました。
商用利用できる強力な汎用モデルを自前で運用したいチームにとって、試す価値は十分にあります。一方で、複雑な思考プロセスを必要とするタスクであれば、引き続き推論特化型のR1などを選ぶのが現実的です。
情報源 (1)
- siliconangle.com(新しいタブで開きます)原文siliconangle.com