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研究

Google DeepMindのAI「GNoME」、38万種の新材料を予測

公開 拡散指数 38

Google DeepMindは付のNature誌で、新材料探索AI「GNoME」を発表した。理論上安定な結晶構造を約38万種予測し、人類の既知データを一気に約10倍へ拡大。自律型ロボットラボにより41種の合成にも成功したが、モデル自体の一般公開は見送られている。

Google DeepMindのAI「GNoME」、38万種の新材料を予測
画像:wired.com

夜通し稼働するロボットアームが粉末を調合し、炉を行き来して試料を焼き上げる。カリフォルニア州の研究所では、人間の研究者が眠っている間も、機械が新しい結晶材料を自動で作る試みが続けられています。

Google DeepMindは、材料科学向けAIツール「GNoME」を発表し、学術誌Natureに論文を掲載しました。このAIは220万種類もの未知の結晶構造を予測し、そのうち38万種類が安定して存在できると結論づけました。人類がこれまでに発見してきた安定材料の数を、一気に約10倍に拡大した計算になります。

エジソンの試行錯誤を超えるAI

従来の材料開発は、科学者の経験と直感、あるいは偶然の産物に頼る部分が大きく、特定の構造や元素に偏る傾向がありました。これを専門家はエジソン効果と呼びます。

DeepMindはグラフニューラルネットワークと量子力学計算を組み合わせ、自律的な能動学習ループを構築しました。既知のデータベースからエネルギーの最小化を学び、周期表全体を探索することで、人間の直感では思いつかない5〜6種類の元素からなる複雑な安定結晶を次々と導き出しました。

自律研究所が17日間で41種類を実際に合成

机上の空論で終わらせないため、ローレンス・バークレー国立研究所の自動化施設「A-Lab」が実際に合成実験を行いました。

ロボット群はAIが選んだ58種類の結晶構造をターゲットに、材料の混合から加熱、結果の分析までを自動で反復しました。途中で失敗しても自ら調合を見直し、17日間の実験で41種類の合成に成功しました。成功率は約71パーセントに達します。

一方で、現場の研究者からは慎重な声も出ています。ユタ大学のTaylor Sparks氏は、合成能力がAIの予測規模に到底追いついていないと指摘します。実用的な特性で絞り込まずに数十万件の候補を出しても、実験室のキャパシティを圧迫するだけではないかという懸念です。

なぜ重要か

私たちは、この成果が材料開発における「AlphaFoldの再来」になると考えています。DeepMindの研究幹部が言及しているように、将来的に創薬子会社と同様の形で、物理的な材料開発の現場へ本格参入する足がかりになる可能性が高いからです。

次世代全固体電池の電解質や高効率な太陽電池、超伝導体を探すエンジニアにとって、このオープンなデータベースは巨大なショートカットになります。これまで数年単位の試行錯誤が必要だった初期スクリーニングを、一気にスキップできる価値は計り知れません。

ただし、最大の課題は依然として現実世界の物理的制約にあります。安定していると予測されても、希少元素が必要だったり、極端な合成環境を求められたりする材料は少なくありません。また、単体で安定していても、電池内部で他の部材と接触した際に劣化しないかどうかまでは予測できません。

それでも、AIの理論予測とロボットによる自動合成を密結合させた今回の取り組みは、科学的発見のサイクルそのものを根本から変える説得力を持っています。

情報源 (1)

  1. [1]
    wired.com(新しいタブで開きます)原文wired.com

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