Clone Roboticsがロードマップ公開:2万ドル以下の「筋繊維」アンドロイド
Clone Roboticsは流体駆動の人工筋肉「Myofiber」を用いた「合成人間」のロードマップを発表しました。2026年末までにメスなどの道具を扱う胴体型、2028年には2万ドル以下でホテル向け執事ロボットの実用化を目指します。低コストでの量産が実現すれば従来のモーター駆動型に対抗する選択肢になります。

人型ロボット業界の大半が金属フレームと高トルクモーターの開発に明け暮れる中、ポーランド発の Clone Robotics は一貫して異端の道を歩んできました。
2026 Abundance Summit において、同社共同創業者兼CEOの Dhanush Radhakrishnan 氏は「合成人間」のロードマップを発表しました。2万ドル以下のアンドロイド製造、シリコンバレー新拠点の開設、そして2028年の「ロボット執事」実用化を掲げています。
モーターを捨て、流体人工筋肉で勝負
Clone のアプローチは一般的なロボットとは根本的に異なります。解剖学的に精巧なポリマー骨格をベースに、流体駆動の人工筋肉「Myofiber」を張り巡らせて動かす仕組みです。
Radhakrishnan 氏によると、この Myofiber を大量生産できれば、全身の筋骨格アンドロイドを2万ドル未満で製造できるといいます。
開発を加速させるため、同社はシリコンバレーの中心地であるマウンテンビューに新拠点を構え、研究開発や採用、パートナーシップを強化する計画です。
ロードマップによると、2026年末までにメスなどの精密機器を扱える上半身プラットフォームを完成させ、2027年には人間のような自然な歩行を実現、そして2028年にはホテル向けのロボット執事として現場投入を目指します。
なぜ重要か
従来のモーター駆動型に対するオルタナティブとして、Clone の試みは注目に値します。
現在先行する Figure や 1X などのロボットは、剛性の高い金属とギアで構成されており、人間と接触した際の安全性や柔軟性に課題が残ります。一方、流体駆動の人工筋肉は本来的なしなやかさを備えており、ホテルや家庭など人と密接に関わる環境には適しています。
2万ドル以下という価格目標も魅力的です。この価格が実現すれば、サービス業における導入ハードルは劇的に下がります。
しかし、課題も山積みです。
伝えられるところでは5000万ドルの資金調達とマウンテンビュー進出により、Clone は業界トップ集団と肩を並べつつありますが、展開スピードでは後れを取っています。ライバルがすでに自動車工場などで実証配備を進めているのに対し、Clone の本格展開は2028年と先です。
さらに、流体駆動システムは液漏れや摩耗、ポンプの騒音対策が極めて困難です。「人工筋肉の量産による低コスト化」という主張は、まだ実際の製造ラインで検証されていません。
構想自体は非常に刺激的ですが、まずは今年末に予定されている「メスを自在に操る」デモを成功させられるかが最初の試金石になります。
情報源 (1)
- @clonerobotics(新しいタブで開きます)原文x.com