Anthropic、Claude.aiに「Projects」機能を追加 200Kの文脈で社内ナレッジ共有
AnthropicはClaude.aiのProおよびTeamプラン向けに「Projects」機能の提供を開始した。プロジェクトごとに200Kトークンのコンテキストウィンドウが割り当てられ、社内ドキュメントやコード、専用指示を紐付けて作業できる。Teamユーザーは会話の共有も可能で、データはモデル学習に使われない。

新しいチャットを立ち上げるたびに、社内のコーディング規約や製品資料を何度もコピー&ペーストする作業にうんざりしていた人に朗報です。
Anthropicは6月25日、Claude.aiのProおよびTeamプランユーザー向けに新機能「Projects」の提供を開始しました。関連するチャットやドキュメントを1つの場所にまとめ、特定の作業に特化したワークスペースを作れる機能です。
500ページの資料をそのまま飲み込む作業場
各Projectには200Kトークンのコンテキストウィンドウが割り当てられています。これは一般的な書籍で約500ページ分に相当する容量です。
ユーザーは社内のスタイルガイド、過去の成果物、インタビューの書き起こし、ソースコードなどをプロジェクト内にあらかじめ登録できます。最新モデルのClaude 3.5 Sonnetを活用することで、自社の内部事情に即した精度の高い回答をゼロから引き出せます。
さらに、プロジェクトごとにカスタムプロンプトを設定可能です。例えば、あるプロジェクトでは厳格なエンジニア視点でレビューさせ、別のプロジェクトでは広報担当者としてフォーマルなトーンで下書きを作らせるといった使い分けが簡単に行えます。
成果物のプレビューとチーム内の共有機能
Projectsは、先ごろ公開された「Artifacts」機能とも連動します。Claudeがコードやテキスト、図表、ウェブデザインを出力すると、画面右側の専用パネルにプレビューが表示され、その場で編集や動作確認が可能です。
Teamプランのユーザーであれば、Claudeとの優れたやり取りをスナップショットとしてプロジェクト内のアクティビティフィードに共有できます。同僚がどのようなプロンプトで成果物を作ったかをチーム全体で学び合える仕組みです。
米コンサルティング大手のNorth Highlandでは、すでに数百人の社員が提案書作成や10-K報告書の分析に活用しており、作業スピードが最大5倍に向上したと報告されています。
なお、ユーザーの明示的な同意がない限り、Project内のデータや会話がモデルのトレーニングに使用されることはありません。今後数か月以内には、外部の主要アプリとのネイティブ連携も追加される予定です。
なぜ重要か
今回の機能追加は、日常的にAIを使い倒しているユーザーにとって待望のアップデートだと私たちは考えています。
一般の開発者やリサーチャーにとって、毎回コンテキストを説明する「コールドスタート問題」が解消されるメリットは非常に大きいです。外部の専門ツールや自前のRAGを組まなくても、ファイルを放り込むだけでClaude 3.5 Sonnetの優れた推論能力を最大限に引き出せるため、Proユーザーなら今すぐ試す価値があります。
業界全体で見れば、OpenAIの「GPTs」に対する強力な対抗策となります。GPTsが外部公開可能なミニアプリの配布プラットフォームを目指したのに対し、Anthropicは社内業務に深く溶け込むコンテキスト共有ツールという実用重視の路線を選びました。
Artifactsによるフロントエンドのリアルタイムプレビューと巨大なコンテキストウィンドウの組み合わせは、開発現場において明確な強みになります。ただし、200Kトークンにドキュメントを丸ごと詰め込むアプローチは、膨大なデータを抱える大規模企業にとっては限界もあります。今後予定されている外部ツール連携がどこまで実用的になるかが、真の業務基盤になれるかの分かれ目になりそうです。
情報源 (1)
- anthropic.com(新しいタブで開きます)原文anthropic.com