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業界動向

GPT-4の訓練に大量の水、米マイクロソフトのデータセンター消費量が34%急増

公開 拡散指数 61

AP通信はマイクロソフトとOpenAIがGPT-4の学習と冷却のためにアイオワ州で大量の水を消費していた実態を報じた。マイクロソフトの年間水消費量は34%急増しており、ChatGPTに5〜50回質問するごとに約500ミリリットルの水が消費されるという試算も明らかになった。

ChatGPTにプロンプトを入力すれば、ほんの数秒で回答が返ってきます。多くの人はこれを「クラウド上で電力が少し消費されているだけ」と思いがちですが、その裏で驚くべき量の真水が消費されている実態が明るみに出ました。

AP通信が9月9日に報じた調査によると、OpenAIの最先端モデル「GPT-4」は、シリコンバレーではなく米アイオワ州ウェストデモインのトウモロコシ畑の隣で、地元の川の水を大量に汲み上げて冷却されながら学習を行っていました。

トウモロコシ畑の隣の巨大冷却装置

巨大な言語モデルの訓練には膨大な計算が必要で、サーバーは凄まじい熱を発します。システムを熱暴走から守るため、データセンターは外部の冷却塔に大量の水を流し込んで熱を逃がします。

マイクロソフトは2019年にOpenAIへ10億ドルを出資し、専用のスーパーコンピューターを用意しました。2020年に公表された構成だけでも28万5000個以上のCPUコアと1万基のGPUが積まれており、その拠点がアイオワ州でした。

アイオワ州は年の大半が冷涼なため、外気を使って冷却できます。同社も気温が29.3度を超えた場合にのみ取水すると説明していました。しかし、夏場の消費量は跳ね上がります。地元水道局の記録によると、GPT-4の訓練完了直前の2022年7月、同地域のデータセンター群は約1150万ガロンもの水を汲み上げました。これは同地区の月間総使用量の約6%に達し、住民の飲料水源を分け合う形になりました。

数十回の会話でペットボトル1本分

水を消費するのは訓練時だけではありません。日常の利用でも水が失われています。

カリフォルニア大学リバーサイド校のシャオレイ・レン氏らの研究チームによると、ChatGPTに5〜50回質問するごとに、約500ミリリットル(16オンスのペットボトル約1本分)の水が消費されると推計されています。これにはサーバー自体の冷却だけでなく、電力を供給する発電所の冷却に必要な間接的な水も含まれます。

マイクロソフトの環境報告書でも、2021年から2022年にかけて世界全体での水消費量が34%急増し、約17億ガロン(五輪プール2500個分以上)に達したことが開示されています。グーグルも同時期に20%増加しており、研究者はこの急増の大部分が生成AIによるものだと指摘しています。マイクロソフトは2030年までに「ウォーターポジティブ」を目指すとし、OpenAIも効率化を進めるとしていますが、地元の水道局は今後の拡張についてピーク時の水使用量を大幅に削減する技術の導入を条件にする方針を示しています。

なぜ重要か

今回の報道は、AIという一見クリーンなソフトウェア産業が、実は極めて重い物理的リソースの上に成り立っている現実を突きつけました。

ユーザーや開発者にとっては、APIの価格だけでなく、環境負荷という新たなコスト意識を持つ契機になります。今後、無駄に巨大なモデルを呼び出すのではなく、より小型で効率的なモデルを選ぶ動きが加速する可能性があります。

業界全体にとっては、データセンターの立地戦略と冷却技術が死活問題になってきました。マイクロソフトがアリゾナなどの乾燥地帯を避け、アイオワを選んだ判断自体は理にかなっていましたが、それでも夏場のピーク需要は地域のインフラを圧迫します。住民生活と水資源を奪い合う事態になれば、新規建設の認可は一気に厳しくなるでしょう。これからのAI開発競争は、モデルの賢さだけでなく、熱と水をいかに効率的に制御できるかというインフラ技術の勝負に移りつつあります。

情報源 (3)

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    apnews.com(新しいタブで開きます)原文apnews.com
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