ByteDanceが動画AI「Seedance 2.5」発表へ:1プロンプトで30秒の4K動画を生成
ByteDanceが次世代動画生成モデル「Seedance 2.5」を早ければ今週中にも公開する見通しです。単一プロンプトから30秒の4K動画を出力できるほか、参照素材を前バージョンの12件から最大50件へと大幅に拡張。より意図通りの映像生成が可能になります。

AIで映画のような本格的な映像を作ろうとすると、これまでは数秒の短いカットを何本も出力し、後から編集ソフトで繋ぎ合わせるのが当たり前でした。登場人物が増えるだけで顔や服装の一貫性が崩れてしまうのも大きな悩みでした。
ByteDanceが北京で開催されたVolcano EngineのFORCEカンファレンスで、最新の動画生成AIモデル「Seedance 2.5」を公開しました。CNETやThe Decoderの報道によると、早ければ今週中、海外の検証サイトTesting Catalogは7月9日にも提供が始まる可能性があると報じています。すでにDreaminaの公式サイトにはSeedance 2.5の専用ページが立ち上がっており、CapCutも7月4日にリリースを予告しています。
1プロンプトで30秒出力、参照データは最大50件に
Seedance 2.5の最大の特徴は、動画の後から繋ぎ合わせる編集なしで、最大30秒の4K動画をワンプロンプトで生成できる点です。
Volcano Engineによると、この30秒のクリップ内ではシーンの切り替えやテンポの変化も自然にこなせるといいます。さらに前世代のSeedance 2.0についても、ネイティブ4K解像度と10ビットカラー深度に対応するアップデートが発表されました。
映像制作者にとって実用面で大きな進歩といえるのが、参照データの入力上限です。前世代のSeedance 2.0では12件までだった参照入力が、Seedance 2.5では最大50件まで拡大されました。画像や音声、動画ファイルをまとめて読み込ませることができます。
これにより、複数の人物が登場するドラマのワンシーンでも、各キャラクターの設定資料や背景音楽を一括して指定しやすくなります。生成後に全体のビジュアルスタイルや質感を保ったまま再編集できる機能も備わっています。
なお同イベントでは、Doubao 2.1 Pro言語モデル、画像生成のSeedream 5.0 Pro、音声生成のSeed-Audio 1.0もあわせて発表されました。Volcano Engineによると、Doubao 2.1 Proの利用コストはClaude Opus 4.6と比べて約80パーセント安価だといいます。
なぜ重要か
私たちは、Seedance 2.5がAI動画ツールの競争を「見栄えの良さ」から「現場で使えるワークフロー」へと大きく押し進めたとみています。数秒間の美麗なスローモーションを見せるだけの段階は終わり、複数カットや複数人物の整合性を保ちながら30秒間持続できる性能は、商用制作において極めて重要です。
最大50件のマルチモーダル参照と後からのスタイル保持編集機能は、まさに映像制作の現場が求めていた仕様です。広告制作や短編動画の現場であれば、実用的な試行錯誤をすぐに始める価値があります。
一方で、避けて通れないのが著作権問題です。前世代のSeedance 2.0は、学習データに著作物が使われているとしてハリウッド側から強い反発を受け、米国での展開が遅れました。表現力が上がれば上がるほど、権利元からの視線は厳しくなります。ByteDanceが権利関係の透明性をどう証明していくかが、今後の世界展開を左右することになりそうです。
情報源 (2)
- cnet.com(新しいタブで開きます)原文cnet.com
- the-decoder.com(新しいタブで開きます)報道the-decoder.com