ByteDanceがSeedance 2.5公開、30秒の一発動画生成とマルチモーダル参照に対応
ByteDanceは動画生成モデル「Seedance 2.5」を発表した。1回で最大30秒の音声付き動画を生成でき、複数回の延長にも対応する。最大30枚の画像、10本の動画、10本の音声を同時に入力できる参照機能やタイムスタンプ単位の編集も備え、即夢AIやDoubao Proで利用できる。
AI動画生成を触ったことがある人なら、数秒の短いクリップをパッチワークのようにつなぎ合わせ、登場人物の顔が変わってしまう現象に頭を抱えた経験があるはずです。
こうした制作現場のストレスを解消すべく、ByteDanceは2026年7月31日、次世代の動画生成モデル「Seedance 2.5」を正式にリリースしました。
1発で30秒生成、最大50個の素材を参照可能に
Seedance 2.5は、映像と音声を同時に生成するマルチモーダル設計を引き継ぎつつ、1回の生成時間を従来の15秒から30秒へと大幅に引き上げました。
複数回の延長生成にも対応しており、登場人物や世界観、ストーリーのテンポを崩さずに連続した映像をつなぎ、数分規模のまとまった作品を書き出すことができます。
単に時間を伸ばしただけでなく、楽屋でのやり取りから廊下を通ってステージへ上がるまでをワンテイクで描くなど、起承転結のある複雑なカット割りを1本の中で成立させられます。
さらに強力なのが参照機能の拡張です。1回のプロンプトで画像最大30枚、動画最大10本、音声最大10本という、合計50件におよぶ素材を同時に読み込ませることができます。
テクスチャのない3Dモデルを構図やカメラワークの指定に使える「白モデル(clay render)参照」にも対応しました。編集面でもタイムスタンプ単位の指定やグリーンスクリーン合成、カメラアングル制御が強化されています。
圧巻のアクション描写、ただしコストは高め
Seedance 2.5は現在、中国国内向けの「即夢AI」や「Doubao Pro」のほか、海外向け「Dreamina」などで展開されています。API提供もBytePlus ModelArk経由で近く始まる予定です。
初期のクリエイターレビューでは、激しいアクションシーンの物理挙動やキャラクターの整合性において、現行の動画生成AIの中でトップクラスの仕上がりだと絶賛されています。
ただし、導入にあたっての制約もはっきりしています。
現時点の出力解像度は720pにとどまっており、1080pや4Kへの対応は今後のアップデート待ちです。また米国など一部地域からはまだ直接利用できません。
利用コストも決して安くありません。海外レビュアーの試算によると、10秒の動画生成に約460クレジット(約4.60ドル相当)が必要で、MiniMaxなど競合モデルと比べても割高な価格設定となっています。
なぜ重要か
映像制作の現場や広告クリエイターにとって、Seedance 2.5はAI動画を「素材集め」から「実制作のパイプライン」へと押し上げる一歩になります。
30秒の長尺ワンテイク、50件もの参照素材、そして3Dの白モデルを使った演出指定ができるようになったことで、監督が思い描いた構図を正確に再現する打率が劇的に上がります。
10秒で4.6ドルという価格は趣味のユーザーにはハードルが高いですが、実写ロケや照明スタッフの手配費用と比べれば、商業制作チームにとっては極めて魅力的です。
ByteDanceのアプローチは非常に実戦的だと私たちは評価しています。単なる画質向上競争にとどまらず、長尺ストーリーテリングと指示通りの演出制御という、プロが最も必要としていたボトルネックを真っ向から解消しにきています。
720pの解像度上限とコストは短期的にはネックですが、今後の高解像度化次第で、他社モデルとの差をさらに広げる存在になりそうです。
情報源 (2)
- seed.bytedance.com(新しいタブで開きます)原文seed.bytedance.com
- youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com