Brave、ブラウザ内AI「Leo」の標準モデルをMixtral 8x7Bに刷新
Braveはデスクトップブラウザのv1.62アップデートを公開し、内蔵AIアシスタント「Leo」の標準LLMをオープンソースのMixtral 8x7Bに刷新した。無料版と月額15ドルの有料版の双方が対象となる。会話データの保存やログインを不要とする強固なプライバシー保護を維持したまま、推論性能やコード生成精度を引き上げた。

ブラウザに AI を統合する動きが加速する中、利用者のチャット履歴を学習データとして吸い上げない仕組みを追求する Brave が大きな一歩を踏み出しました。
Brave はデスクトップ向けブラウザの最新アップデート(バージョン 1.62)において、プライバシー重視の独自 AI アシスタント「Brave Leo」のデフォルトモデルを、Mistral AI が公開したオープンソースの大規模言語モデル「Mixtral 8x7B」に切り替えたと発表しました。無料版と月額 15 ドルの Premium 版の両方に適用されます。
Brave はすでに検索エンジンのプログラミング支援機能「Code LLM」で Mixtral を採用しています。公式が引用した LMSYS のベンチマークによると、Mixtral 8x7B は ChatGPT 3.5、Claude Instant、Llama 2 を上回る性能を示しており、BBQ ベンチマークにおいてもハルシネーションや偏見の低減が確認されています。
状況に応じてモデルを切り替え可能
Mixtral の導入により、Leo はより広いコンテキストウィンドウに対応し、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語のマルチリンガル対話や、高度なコード生成が可能になりました。
Leo は単一のモデルに依存しない点も特徴です。ユーザーは Mixtral 8x7B に加え、Anthropic の Claude Instant や Meta の Llama 2 13B を選択肢として保持できます。無料版では Mixtral と Claude Instant に厳格な利用制限が設けられており、上限に達した場合は利用枠に余裕のある Llama 2 に切り替えて会話を継続できます。月額 15 ドルの有料ユーザーには、より緩やかな制限が適用されます。
UI 改善も同時に実施され、オンボーディングの整理やコンテキスト制御、レイアウト調整が行われました。デスクトップではアドレスバーから「Ask Leo」をクリックするか、サイドバーから呼び出せます。
課金情報とチャットを完全に切り離す
Brave が最も強調しているのがプライバシー設計です。Leo の利用にアカウント登録やログインは不要で、すべての通信はリバースプロキシを経由して匿名化されるため、ユーザーの IP アドレスと質問内容を紐付けることはできません。生成された回答は即座に破棄され、モデルの学習にも使用されません。
有料プランの設計も徹底しています。サブスクリプションの認証には「リンク不可能なトークン」を採用しており、Brave 側でも決済時のメールアドレスや支払い情報と、日々の AI 利用履歴を照合できない構造を実現しています。
なぜ重要か
大半のブラウザ AI がアカウント連携と引き換えに利便性を提供する中、Brave はオープンモデルと匿名化インフラを組み合わせ、プライバシーを一切犠牲にしない選択肢を提示しました。
Mixtral 8x7B の採用は非常に理にかなった判断だと考えられます。独自のオープン MoE モデルを基盤に据えることで、商用プロプライエタリモデル並みの性能を確保しつつ、外部ベンダーへの依存度を抑えられています。業務データの流出を警戒するエンジニアやリサーチャーにとって、今すぐ試す価値のあるブラウザ拡張代替となります。
一方で課題は、無料枠における利用制限の厳しさです。制限到達時に旧世代の Llama 2 へダウングレードされる落差は、ユーザー体験としてやや不快感を伴う可能性があります。また、現時点ではデスクトップ版に限られており、予告されている iOS や Android への早期展開が普及の鍵を握るはずです。
情報源 (1)
- brave.com(新しいタブで開きます)原文brave.com
トピックを追うBrave Leoの進化
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