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Baiduが推論モデル「ERNIE X1.1」を発表:事実性が約35%向上、GPT-5に匹敵

公開 拡散指数 59

Baiduは「WAVE SUMMIT 2025」で推論モデルERNIE X1.1を発表しました。前世代と比べ事実性が34.8%向上し、総合性能でDeepSeek R1-0528を上回りGPT-5に匹敵すると主張しています。あわせて21Bの思考モデルもオープンソース化され、Webやアプリで即座に利用可能です。

Baiduが推論モデル「ERNIE X1.1」を発表:事実性が約35%向上、GPT-5に匹敵
画像:prnewswire.com

AI業界の競争軸は、パラメータの大きさから論理的推論力とハルシネーションの少なさへと完全に移り変わっています。

Baidu(百度)は年次開発者会議「WAVE SUMMIT 2025」にて、最新の推論特化型モデル「ERNIE X1.1」を発表しました。同社によると、総合性能においてDeepSeek R1-0528を上回り、GPT-5やGemini 2.5 Proといった最高峰モデルに匹敵する水準を達成したとしています。

あわせて、軽量な思考型モデルのオープンソース公開や、自社開発フレームワークのメジャーアップデートも明らかにされました。

事実精度が3割向上、軽量なMoE思考モデルも無償公開

ERNIE X1.1の最大の進化点は、誤情報の低減と指示遂行力の強化です。前世代のERNIE X1と比較して、事実性は34.8%向上し、指示追従性は12.5%、自律型エージェント能力は9.6%それぞれ伸びたとされています。

ベースとなったマルチモーダル基盤モデルERNIE 4.5に、混合強化学習と反復自己蒸留を組み合わせた新たな学習手法を適用しました。すでにWeb版やアプリ、クラウドAPI経由で利用可能です。

同時に注目を集めたのが、オープンソースモデル「ERNIE-4.5-21B-A3B-Thinking」の公開です。これは6月30日に10種類のモデルをオープンソース化した動きに続くものです。

総パラメータ数21Bのうち稼働するのはわずか3Bという疎結合MoE構造を採用しており、128Kのコンテキスト長をサポートします。Hugging Faceなどで公開されており、極めて小さな計算資源で高度な推論を実行できる点が特徴です。

45%のコードをAIが生成、飛槳の計算効率はMFU 47%へ

開発者向けツールも大幅に刷新されました。コード支援ツール「Baidu Comate 3.5S」は、複数のAIエージェントが自律的に連携してタスクを完遂するマルチエージェント体制へと進化しました。

Baidu社内では現在、新規コードの45%がAIによって生成されていると報告されています。Comateの利用者はすでに1000万人を突破しました。

深層学習フレームワーク「PaddlePaddle 3.2」では、300B規模のモデル事前学習においてMFU(計算機能力利用効率)47%を記録しました。現在、エコシステム全体の登録開発者は2333万人、導入企業は76万社に達しています。

なぜ重要か

Baiduの今回の動きは、商用フラッグシップでの収益化とオープンソースによる開発者囲い込みを同時に狙う、手堅い二面作戦だと私たちは評価しています。

現場の開発者にとって最も価値が高いのは、21B-A3Bという軽量な思考モデルの存在です。アクティブパラメータが3Bであれば、安価なオンプレミス環境や小規模なGPUインスタンスでも動かせるため、高額なAPIコストをかけずに思考チェーン型の推論を組み込めるメリットがあります。

業界全体で見れば、DeepSeek R1の登場以降に激化した「推論型AI」の覇権争いに、中国の老舗巨頭が本格的に追いついてきた構図です。今やベンチマーク比較の基準がGPT-5だけでなく、オープン系の推論モデルにシフトしている点も象徴的です。

一方で課題となるのはグローバルでの定着力です。中国国内で強大なPaddlePaddleエコシステムを抱えているとはいえ、世界市場の主流は依然としてPyTorch圏にあります。モデル自体の実力だけでなく、海外開発者が日常的に使いたくなるようなエコシステム連携をどこまで維持できるかが今後の分水嶺になりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    prnewswire.com(新しいタブで開きます)原文prnewswire.com
  2. [2]
    venturebeat.com(新しいタブで開きます)報道venturebeat.com

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