本文へスキップ
IFAI

画像・動画生成

アーティスト団体がOpenAI「Sora」のアクセス権を抗議流出

公開 拡散指数 59

アーティスト団体がOpenAIの動画生成AI「Sora」のAPIに接続するフロントエンドをHugging Face上に公開した。団体はOpenAIがテスターに無償労働を強いてPRに利用していると抗議。一般ユーザーが一時的に1080p動画を生成できたが、約3時間後に遮断された。

アーティスト団体がOpenAI「Sora」のアクセス権を抗議流出
画像:engadget.com

OpenAIが厳重に非公開を貫いてきた動画生成AI「Sora」が、思わぬ形で外部に流出しました。

「Sora PR Puppets」と名乗るアーティスト集団が、Hugging Face上に未公開のSora APIと連携したフロントエンドを突如公開しました。早期テスター向けのアカウント認証トークンを利用したもので、一般のユーザーが短い指示文を入力するだけで、最大1080p、10秒間の動画を生成できる状態になっていました。生成された動画にはOpenAIの透かしが入り、約3時間にわたって試用された後、アクセスは遮断されました。

早期テスターが反旗を翻した理由

今回の流出は、外部ハッカーによる攻撃ではなく、公式のアルファ版に招待されたクリエイターたちによる抗議行動でした。

グループ側は声明で、企業価値1500億ドルに達する巨大企業が、何百人ものアーティストを無償のデバッグ要員やPRの道具として利用していると批判しました。生成された動画はOpenAIの事前審査を通らなければ外部公開できず、クリエイティブな表現の追求ではなく「アートウォッシング」に加担させられていると主張しています。

これに対しOpenAIの広報担当者は、プログラムへの参加は完全な任意であり、フィードバックの義務もないと反論しました。また、参加アーティストの一人であるアンドレ・アレン・アンホス氏のように、抗議側の意見はテスター全体の総意ではないと指摘する声も上がっています。

明らかになったSoraの現在地

この流出騒動によって、ベールに包まれていたSoraの実態も垣間見えました。コード解析を行ったユーザーによると、今回動いていたのは高速化された「Turbo」版とみられ、スタイルの指定機能なども含まれていました。

Soraは2月の初公開以降、レンダリング時間の長さや一貫性の欠如が指摘されていました。1分の動画出力に10分以上を要し、映像作家のパトリック・セダーバーグ氏は、1カットの使える映像を得るために数百本もの生成を繰り返したと語っています。さらに10月には共同リードのティム・ブルックス氏がGoogleへ移籍するなど、開発体制の揺らぎも報じられていました。

なぜ重要か

クリエイターにとって、今回の件はSoraに対する過度な幻想を解く契機になりました。流出したサンプルを見る限り品質は高いものの、競合の動画生成AIを圧倒するほどの差はなくなっています。一般公開を待ち望んでいたユーザーにとっても、いま提供されている他のツールを差し置いて待つ価値があるのか、冷静な見直しを迫られます。

業界全体で見れば、AI企業とクリエイターコミュニティの間の深刻な不信感が浮き彫りになりました。クローズドな環境で安全性を追求し、都合の良い作例だけをプロモーションに使うという手法は、もはやアーティスト側から受け入れられにくくなっています。囲い込みと安全性のバランスを誤れば、技術的な優位性さえも失いかねないことを示す象徴的な出来事といえます。

情報源 (2)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
  2. [2]
    engadget.com(新しいタブで開きます)報道engadget.com

毎日のAIピックアップ