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業界動向

AppleがAWSの独自AIチップ採用を公表、Trainium2でのモデル学習も検証中

公開 拡散指数 41

AppleはAWS re:Inventにて、検索サービスなどにAmazonの独自チップInferentiaやGravitonを採用し効率を40%向上させたと明かした。さらに最新のTrainium2をApple Intelligence等のモデル事前学習に活用する評価も進めている。

AppleがAWSの独自AIチップ採用を公表、Trainium2でのモデル学習も検証中
画像:cnbc.com

Apple はサプライチェーンや自社インフラの技術仕様について極めて口が堅く、サプライヤーが自社を顧客として公表することをめったに認めません。

しかし、火曜日に開催された年次イベント「AWS re:Invent」で、Apple の機械学習および AI 担当シニアディレクターである Benoit Dupin 氏が登壇し、Amazon の独自 AI チップ採用を公に認めました。

AWS の年次イベントに登壇した Apple

Dupin 氏によると、Apple は Siri、Apple マップ、Apple Music などのサービスで 10 年以上にわたって AWS を利用してきました。

検索サービスなどではすでに Amazon の独自チップである Inferentia や Graviton を採用しており、これにより 40% の効率向上が達成されたといいます。

さらに注目されるのはモデルの事前学習です。Apple は「Apple Intelligence」などの独自モデルの事前学習に、Amazon の最新チップ「Trainium2」が利用できるかを評価しています。

Dupin 氏は、Trainium2 の初期評価において、事前学習の効率が最大 50% 改善する見込みであると語りました。同日、Amazon は Trainium2 の一般提供開始を発表しています。

AWS の Matt Garman CEO は CNBC の取材に対し、Apple が Trainium チップの初期採用者でありベータテスターだったと明かしました。生成 AI の基盤を構築するために Apple 側からインフラの相談を持ちかけてきたといいます。

Google TPU に続く非 Nvidia 路線

業界の大半が高価な Nvidia 製 GPU クラスタに依存して AI 開発を進めるなか、Apple のアプローチは異色です。

Apple は今年初めの研究論文で、Apple Intelligence の訓練に Google Cloud の TPU チップを採用したことを明らかにしていました。

推論に関しても、Apple は iPhone や Mac のオンデバイス処理を基本とし、複雑な処理だけを独自 M シリーズチップ搭載の専用サーバーに送る設計を採用しています。

Google の TPU に加え、AWS の Trainium2 も視野に入れたことで、Apple は特定のチップベンダーに縛られないマルチクラウド体制を鮮明にしています。

なぜ重要か

私たちは、この動きが「高額な Nvidia 製チップ一強」の構図に風穴を開ける重要なシグナルになると考えています。

一般ユーザーにとって、クラウド側のチップが変わっても日々の操作感が劇的に変わるわけではありません。しかし学習や処理効率が最大 50% 改善すれば、Apple が高品質な AI 機能を安定して提供し続けるための基盤コストが大きく下がります。

AWS にとっても、これ以上の援軍はありません。Microsoft Azure や Google Cloud と AI インフラの覇権を争うなかで、Apple というトップ企業が自社製チップの性能を認めた事実は、他社顧客への強力なアピールになります。

同業他社が高価な GPU の確保に奔走するなか、Google TPU、AWS Trainium、自社 M シリーズを巧みに使い分ける Apple の姿勢は極めて合理的です。ただし、Nvidia の確立されたソフトウェアエコシステムと比べ、Trainium2 がどこまで本格的な事前学習をスムーズにこなせるかは、今後の検証を見極める必要があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com

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